勉強のハードルを、歯磨きレベルまで落とす

予備校の生徒を見ていると、習慣化の大切さを強く感じます。

東大に受かるような人は、いつも自習室にいます。もう毎日見かける。それでいて、まったく悲壮感がない。「イヤイヤ勉強させられている」という感じではなく、かといって、めちゃくちゃがんばっている風でもない。飄々としていて、当たり前のように勉強している。

そういう生徒を見ると「この子は受かりそうだな」とすぐにわかります。

習慣化すると、つらいのを我慢して必死にがんばらなくてもよくなります。努力を努力とも思わないぐらい、当たり前のようにやれるからです。

東大に受かるような人が、勉強を努力と思わないのは、私たちが「歯磨き」を努力と思わないのと一緒だと思います。

習慣化で、毎日の歯磨きレベルに勉強のハードルを落としていくことは、すごく大事です。
じゃあ、どうやって習慣を作るのか。そこには、きちんとテクニックがあるのです。

東大に受かる人の驚くほど普通な才能は「当たり前のことを当たり前にやれる」こと。歯磨きレベルに勉強の習慣を落とし込むテクニックとは_2

単語帳を手に持つだけで、勉強は大成功

勉強を習慣化するためにまずやるべきなのは、「行動のハードルを下げる」ことです。
勉強に対するハードルを、とにかく下げるのです。

たとえば「単語を覚える」ことを習慣化したいときには「単語を覚える」という行動そのものを、細かく分解することです。すると、次のように分解できると思います。

① 単語帳を手に持つ
② 単語帳を開く
③ なんとなく単語をチラ見する
④ ちょっと覚えようとしてみる
⑤ 1ページぐらい覚えてみる


最初に習慣化するのは「単語帳を手に持つ」です。まずは、手に持つだけで十分です。開かなくたって良いのです。それができたら、その日のノルマはクリアです。

そう伝えると、ほとんどの生徒さんは「そのぐらい、絶対できるじゃん」とおっしゃいます。

でも、彼らに「じゃあこの授業の前日に、単語帳を手に取った人はいますか」と聞くと、一人もいなかったりします。

もし勉強ならば、「机の前に座る」だけでもかまいません。しかしそれすらも、実はハードルが高かったりするのです。