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「やらないこと」が、最高の効率化。
世の中は「必要がない勉強」であふれている

効率的に勉強するための一番のポイントは、「なるべく勉強しないこと」です。なんでもかんでも自力で勉強するというのは、正直に言うと意味がありません。

それよりも、勉強の総量を減らしつつ、本当に必要な勉強だけに、時間を投入すべきです。
そもそも勉強とは、シンプルに言えば「何かを身につけること」です。

だから、勉強の戦略とは、「最短距離で何かを身につけるための戦略」だと思ってください。

大人が、仕事や人生をよりよくするための勉強に取り組むときには、極力ムダを省くべきです。時間が限られているなら、「目標達成のために役に立たない勉強」をしても、あまり意味がありませんよね。

もちろん、趣味の勉強なら話は別ですから、大いにムダを楽しんでください。

実は趣味のような一見ムダに思えることに大いに時間を使うことこそが、最終的なゴールとしてふさわしい場合もあると考えていますが、それはまた別でお話しします。

政府が5年で1兆円の支援表明をした“リスキリング(学びなおし)” 。“自力で”にこだわりムダな勉強をする社会人「世の中は必要のない勉強であふれている」_1
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大切なことは「正しく他人に任せる」こと

ここでは「役に立てる」という目標を持って勉強することに絞って、話を続けます。

この場合の勉強で身につけたものは、目標に到達するために使えるものでなくてはいけません。逆に言うと、その部分だけにフォーカスすれば、実は勉強というのは、そんなに途方もないほどの量をこなす必要はないのです。

これも、身近な例で考えてみると、少しわかりやすくなるでしょう。

たとえば、自宅でトイレの電球が切れてしまったときに必要な知識は「電球を交換する方法」だけです。

当たり前ですが、電球そのものの作り方や、電気の基礎から学ぶ必要はありません。

確かに勉強をしなければ、自分の知識やスキルは増えません。しかし、世の中には知らなくてもいいことが、実は多くあります。

全世界の人が、電球そのものの作り方を知っている必要はありません。

このように、自分でやらなくても「他の誰かがやってくれる」ことが、この世にはたくさんあります。

ここで改めて知っておくべきことは「自分でできるようになる」よりも、実は大切なことは「正しく他人に任せる」ことだということです。