マッチングアプリで結婚したある男女の末路

もちろん、結婚を決めたわけだから、彼自身も彼女をいいと思ったのだろう。若く、お嬢様風の女性だったから、惹かれたところがあったのだろうか。私の教え子ではないので、私は余計なことは言わなかったが、内心、結婚は続かないだろうと予想していた。つれあいも思うところがあったようで、「大丈夫か?」と声をかけていたようだ。

はたして結婚から2年後に二人は離婚した。

【マッチングアプリで結婚したある男女の末路】ブランド志向の高学歴男性か仕事熱心な朴訥とした男性か、婚活女子の選択_3
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職場や学校といったリアルな場で、自然に惹かれ合い、仲良くなっていくような男女ではなかっただろう。年齢や会社名、年収といった条件によって出会い、結婚するのが婚活の場なのだと知らされた。

しかし、条件による結婚は、続かない場合が多いのではないか。結婚は終わりではなく、始まりだからだ。もちろん、条件から入ったとしても、互いの内面を尊重し、歩み寄ることができれば、その限りではないだろう。

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構成/砂田明子

『結婚しても一人~自分の人生を生ききる~』(光文社)
下重暁子
【マッチングアプリで結婚したある男女の末路】ブランド志向の高学歴男性か仕事熱心な朴訥とした男性か、婚活女子の選択_4
2023年8月18日
¥924
200ページ
ISBN:978-4-334-10017-9
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