「おひとりさま」の対象はあくまでも女性。男は放っておいても一人になりがちだ
一人で……
小さな旅をしよう
おしゃれなカフェに行こう
キャンプや車中泊をしよう
美術館巡りをしよう
etc.
ネットや雑誌など世のメディアに踊るこうした“ひとり時間のススメ”は、大抵、女性に向けた提案だ。
そもそも近年において注目される“ひとり時間”とは、女性限定で成り立った概念である。
ジャーナリストの岩下久美子が2001年に出版した著書によって初めて提唱した「おひとりさま」が、個の確立ができている自立した大人の女性のことを指していたからだ。
残念なことに著者の岩下氏は同書発売の直後、海外旅行先で不慮の事故死を遂げたが、彼女が提言した“おひとりさま”はその後も力強く一人歩きし、今世紀の女性の新しい生き方のひとつを規定するとともに、“おひとりさま需要”という経済効果も生むほどに浸透した。
“男とは、女とは”と、性別を根拠に十把一絡げな断定をするのはいささか時代錯誤的かもしれないが、そこを避けると本質を外す可能性があるので敢えて言うと、女性とは本来、群れたがる生き物だ(批判覚悟でよく言い切ったぞ! 俺)。
そして男性、特に僕のようなおっさんはというと、基本的に孤独を愛する生き物。だからことほど左様にオススメされなくても、勝手に単独行動をする傾向にある。