初対面でもバッチリ関係性ができる質問
人に関心を持とう。それが愛を伝えることになる。
そう考えた僕は、ありとあらゆる人に、出身地を聞くようになりました。船井先生の話ではないですが、出身地の話と家族の話は鉄板です。褒められて嫌がる人はいないからです。
この「出身地を聞く」を続けていると、自然とアンテナが立ってくるようになります。たとえば奈良県出身の人が、今、名古屋に住んでいると聞いたらそれはビビっとくるポイントです。
なぜなら、奈良の人は地元を出るとしたら、たいてい大阪か東京に出るからです。それなのに名古屋に住んでいるとしたら、名古屋大学に行ったのかな? どうしても行きたいゼミがあったのかな? それとも車関係の仕事かな? と、推理を巡らせます。
そして、それを相手に聞いてみる。「うわ、どうして拓巳さん、わかるんですか。そうなんです。どうしても師事したい教授がいて」となる。そこですかさず、「どんな教授だったの?」と聞きます。
出身地の会話から、その人が人生において最も大事にしている価値観を聞き出すまで、ほんの数分。初対面でもバッチリ関係性ができます。そして信頼貯金が貯まります。
この出身地トークは、相手に喜んでもらえるだけではなく、思わぬ副産物も生み出します。あまりに地名とその特徴を聞き続けてきたので、気づくと、エピソードのストックがどんどん増えてきました。
全国のどんな地域の名前を言われても、即ツッコミができるようになってきたのです。たとえば、仙台出身の人の話を深掘りしていくと、次に仙台の人に会ったときの会話のネタになります。
「ねえねえ、仙台の七夕って8月なんでしょ!?」
と聞けば、
「なんでそんなこと知ってるんですか?」
となる(笑)。
「おはよう! 靴下! って言うんでしょう?(靴下が破れたときの表現)」
と言えば、
「そうなんですよ。仙台のこと、お詳しいんですね」
となります。
そうすると話が盛り上がるし、さらに仙台を深掘りしていくと、相手は自分に関心を持ってくれていると感じます。
『青葉城恋唄』の話になり、さとう宗幸の出身地の話になり、広瀬川の話になり……、僕にはさらに仙台ネタのストックが貯まる(笑)。良いことだらけです。