「日高屋」の平均客単価は…

おつまみを充実させたことでちょい飲み需要が増え、ここが今後の伸ばしどころだと考えた。そこで目指したのが「飲んで食べられる店」だ。

「日高屋」は老若男女さまざまな客層がさまざまな利用動機で訪れており、、学生や女性のひとり客も食事で訪れる。食べるのが中心の店や飲めるのが中心の店が多くあるなかで、両方のバランスが取れているのが、一つの強みとなっていった。

「ちょい飲み」を掲げる日高屋では低価格なおつまみが人気
「ちょい飲み」を掲げる日高屋では低価格なおつまみが人気

「手軽で敷居も低く、入りやすいお店であることが大事です。時間帯によっても客層によっても全員目的が違うので、どんな層でも満足させられるお店作りを心掛けました。
そのためには“小汚いラーメン屋”というイメージから離れる必要がありました。店の前には提灯をつけ、とにかく店が明るく、衛生的であること。やがて暗い夜道でも『日高屋』があると安心と言われるようになり、男性メインだった客層も変わっていきました」(鈴木さん)

食事に来たお客さんでもお通しなしで手軽にビールを一杯飲める。そんな店作りをしたことで、客層はどんどん広がっていったのである。

アルコールメニューの割合をもっと高めることもできたが、あえて15%程度に抑えている。アルコール率が20~30%になると、居酒屋的な利用動機が増えていき、食事をする人の利用が減少傾向になっていく。飲みの客が多すぎると、食事では利用しにくくなるのだ。こういった細かい設定で「日高屋」の客数と売上は守られている。

ビール、ハイボール、ホッピーセット、日本酒、サワー系などアルコールメニューも充実している
ビール、ハイボール、ホッピーセット、日本酒、サワー系などアルコールメニューも充実している

「『日高屋』の平均客単価は800円程度です。飲みのお客さんで1200~1300円程度。『日高屋』で2000円使うことはなかなか難しいと思います。しかしこれが現状ではベストなバランスです。
テーブル席ではお酒を飲んでいても、カウンターは食事のお客さんで回転しているのがベストです」(鈴木さん)