『GET THE GLORY』は、天が与えた最高の贈り物だった
「あれは、突然降ってきたんです」
1983年にラフィンノーズがインディーズでリリースした最初のシングル曲にして、現在に至るまでバンドを象徴する代表曲となっている『GET THE GLORY』が生まれた経緯を尋ねると、チャーミーはそう切り出した。
「俺とポンの2人でいたとき、どちらからともなく『♪ドッタンドドタン、ドッタンドドタン、にゃーにゃーにゃーにゃにゃー……。栄光をつかめー、栄光をつかめー♪』って。
じゃあ、“栄光をつかめ”って英語で何て言うん? “Get The Glory”じゃんか? となって『Get, Get, Get The Glory!』……あれ、これ、めっちゃええんちゃうか!? みたいな感じでね。そもそも『GET THE GLORY』ってちょっと不思議な、特殊な曲なんですよ。きっとね。ハードコアなのに『GET THE GLORY』ですから」
1981年に大阪で活動を開始したラフィンノーズは、折からイギリスで巻き起こっていたハードコアパンクムーブメントの影響を受け、日本独自のハードコアシーンを切り開いてきた存在である。
ラフィンノーズが初めて世に出した楽曲は、1983年2月にCITY ROCKER Recordsというインディーズレーベルがリリースしたオムニバス盤「OUTSIDER」に収められた2曲(『A Bomb Will Never Die』と『No War』)だった。
そしてその年の12月には、自ら立ち上げたレーベルAA Recordsより、6曲入りファーストEP『GET THE GLORY』を発表する。
「次の日には、マンゴ(DREAMY-MANGO)っていう当時のギタリストが、また妙な感じのギターソロをつけてきて、それも『ええんちゃうんか!』って(笑)。そんな感じでポッポとできた曲なんですよ。
最初に俺とポンに音が降ってきた場所も、今やはっきりしないけど。俺の記憶では、リハの帰りに2人で歩いていたどっかの駅のホームなんです。でもポンは、『チャーミーの家やったやろ?』って(笑)。当時、俺が住んでいた阪和荘っていうアパートの部屋だったって、あいつは言うんですよ」