ボケないためにも仕事は続ける
しかし、ちょっと待ってください。これまで長く働いてきた人にとって、定年を迎え、会社を退職したことで生じる喪失感というものは想像以上に大きいものです。
実際にそのような人をわたしは数多く見てきました。ようやく宮仕えから解放されたので、きょうからやりたいようにやって暮らしていくぞと鼻息を荒くしても、ここまでさんざん言ってきたように、小さなことでも好きなことを見つけて、どんなことにも興味をもって接しないかぎり、あっという間に毎日が平坦でつまらないものになってしまいます。
退職後、急に何もせずに家にこもりがちになると、さまざまな脳機能の老化が進み、一気に老け込んでしまいますし、そんな生活が数カ月も続けば、あらゆることに意欲がわかなくなり、動くことすらも面倒になるため、認知機能と運動機能が一気に落ちてしまいます。そうならないためにも、70歳からの第二の人生も、仕事だけに限りませんが、継続してできる何かを見つけておくことが大切なのです。
お金のためではなく自分のために働く
長年勤めていた会社にこだわらず、転職したり、起業したりするのもいいでしょう。フルタイムで働かなくても、はたまた仕事をえり好みしなければ、就ける仕事はいくらでも見つかるはずです。現役時代よりも給料は減るかもしれませんが、定年後でも自分の力でお金を稼ぐことによって、老後のお金の悩みも多少は解消されるはずです。
若いときは、働く目的がお金や出世のためだったかもしれません。会社で上司や部下の間に挟まれて、ストレスフルな毎日を送った方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、70歳になって第二の人生の扉をあけたら、もう自分のためだけ、自分にとってやりがいのあることだけを続ければいいのだと思いませんか。