琵琶湖、長良川、多摩川で水難事故が多発している

では、いったい日本全国においてはどの河川や湖沼で水難事故が多く発生しているのだろうか?
河川財団の調査(2003年~2022年)によると1位は琵琶湖で123件、2位は長良川で106件、3位は多摩川で65件だった。

傾向として大都市圏のあるいは地方の中核都市からのアクセスがよく、川遊びや釣りなどのレクリエーションやレジャーの場としてよく利用されているエリアで事故が起こっている。

「利用者数の絶対数が多いことや遠方から利用者による事故が見受けられます。
また、場所の特徴として、夏場のレジャーで川遊び、バーベキュー、キャンプによく利用される中流域の大きな河原のある場所や上流域のキャンプ場付近が『水難事故多発地点』の大半を占めています。事故発生時の利用行動としては、グループで川遊びに訪れて、遊泳や飛び込み遊びをしているうちに事故につながるケースが多いものと思われます」(菅原さん)

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また、河川には河川を横断する形で設置された取水堰、頭首工や落差口、橋脚などの構造物があり、付近には複雑な流れや急な深みが潜んでいる場合があるので、飛び込みや転落による事故が多発している。こういった場所には近寄ることがないようにすることが大切だ。


「日本全国でどの場所で水難事故が発生しているか、河川財団では調査し『全国の水難事故マップ』(https://www.kasen.or.jp/mizube/tabid118.html)を作成して公表しています。過去に事故がない場所は安全、というわけではありませんが、レジャー計画を立てる前に、活動予定の場所の確認に活用ください」(菅原さん)