「ブランドを陳腐化させない」ことで信頼感を醸成
2022年11月、ノースフェイスはキャンプ特化型の新業態「THE NORTH FACE CAMP」を東京・恵比寿にある複合商業施設・恵比寿ガーデンプレイスに出店させた。同店含め、GOLDWINの体験型店舗3店も同時オープンし、全体で総売場面積300坪を誇る関東最大規模となっている。
勢いが衰えることなく、同社が見事な躍進を続けている理由を森氏に伺うと、「インバウンド需要がなくなった代わりに国内需要が伸長し、さらにはアウトドア全般の人口が増えたことが大きな要因のひとつに挙げられる」と話す。
「コロナ禍以降、キャンプブームの隆盛もさることながら、あらゆるアウトドア活動に関わる人々が増え、我々が提供するアウトドア用品や関連商品のニーズがより高まったのが、堅調にビジネスを維持できている理由だと考えています」
加えて、同社の堅調なビジネスを下支えするノースフェイスのブランドの安心感やロゴに対する信頼感の強さも、事業成長を促進する一因となっている。
「老若男女問わず、多くのお客様がノースフェイスのロゴを見たときに想起するブランドの価値や信頼性の高さも、好調の理由に挙げられます。ただ、我々が常に大事にしているのは『ブランドを陳腐化させない』ことです。
山登りに何度となく挑戦する登山家やさまざまなキャンプ場に通うキャンパー、あるいはトレンドに敏感なファッションラバーなど、コアなユーザーからも『ノースフェイスっていいもの作っているよね。かっこいいよね』と言ってもらえるよう、信念を持って商品の企画・開発していくことを忘れないよう心がけています」