息子に言うことは、自分の子供時代に向かって言えたらと思うこと
――佐藤さん自身が、若い自分に何か言えるとしたら、どんな言葉をかけますか?
「オマエの見てる世界は狭いぞ!」とは言いたいですね。少し前に息子の運動会を見て、ツイートもしたのですが、リレーでバトンを落としたり、転んじゃったり抜かれちゃう子がいるじゃないですか。そうすると、泣いてしまったり、まるで世界が終わったような表情しているわけです。見てる側としては、ただただ頑張れという応援の気持ちしかないし、その子の気持ちも痛いほどわかります。ただ、「大丈夫。君が思うより世界は広い」とは言いたい。
――子どもの頃は、足が速いというのは勉強ができるのと同様に大きなステータスだったりします。
モテますしね。いまはそれにゲームがうまい子っていうのもプラスされるらしいです。息子にもよく言うんですが、学校内の優劣のヒエラルキーって、大人になったらあまり関係ないからって。もちろん上に行こうとする向上心や努力は大切だし、尊いことだと思いますが。
息子に言うというのは、もし自分の子供時代に向かって言えたらと思うからなんでしょうね。大人でも、そういうことはあるかもしれません。会社なら会社で、その世界がすべてになってしまっている人もいるかもしれない。そうすると身動きが取れず、辛いことがあったら終わりだと思いがちですが、別の世界なんていくらでもありますからね。
いつだったか、夏休みの終わりに自死しちゃう10代の子が多いというニュースを目にしました。もちろん、意見はさまざまあると思いますが、僕は「大人になった方が何百倍も楽しいから、頑張って」と言いたい。
だって、子どもは昼は基本的に給食ですし、好きなものも思うようには食べられないじゃないですか。でも、大人は好きな店に行ってかつ丼でも寿司でも自由に食べられる。その代わり責任というものが出てきますが、絶対に自由の方が楽しいはず。もちろん、いろんな環境で大変な思いをされている大人の方もいらっしゃると思うで、一概には言ってはいけなのかもしれないですけどね。