#2「お前はどっち派?」が映画ファンの証だった

映画はずっと僕の「夢」

「悲しいほど企画が通らない時期がありました」映画『零落』で監督10作目となる竹中直人。「まだ生きていられるなら、ずっと映画の現場にいたい」_1
『零落』で主人公の深澤を演じた斎藤工
©2023浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会 
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──今回は監督作品『零落』を軸に、竹中さんの映画への想いを語っていただければと。

映画は僕の「夢」です。まだ生きていられるなら、ずっと映画の現場にいたいですね。

そして自分が監督した映画には、自分の大好きな俳優に出演してもらいたい。今回の『零落』はとてもいいタイミングでみなさんのスケジュールが合い、理想的なキャスティングになりました。

──原作をお読みになって即これを映画化したいと思い立ち、たまたま斎藤工さんにその話をしたら、彼もあの漫画がお好きだったそうで……。

はい。『ゾッキ』(2021)で共に監督だった工に、次の映画の企画を話したら、「『零落』読んでます。大好きです」と応えてくれて。「だったら工、主人公を演ってくれないか?」と一気に盛り上がって出演が決まりました。趣里ちゃんも、NHKの朝ドラが決まった後だったら、出演は難しかったと思います。すべてはタイミングと運ですね。

「悲しいほど企画が通らない時期がありました」映画『零落』で監督10作目となる竹中直人。「まだ生きていられるなら、ずっと映画の現場にいたい」_2

──映画を作り続けていく竹中監督としてのモチベーションは?

直感的に「これを映画にしたい!」という思いだけです。まさか自分が映画を監督するなんてあり得ないことだと思っていました。でもいつのまにかその夢が叶ってしまった。

と言ってもぼくが映画監督してるなんて、誰も知らないと思います(笑)。でも短編を含めてもう10本も撮っていましたね。