倍になった海外への修学旅行費

2020~2021年のコロナ禍のピークにおいては、出入国制限が非常に厳しかったこともあり、海外への修学旅行を実施する学校は皆無だったが、2022年度からは徐々に海外修学旅行を敢行する学校も増えてきたという。

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行した2023年5月以降を“コロナ後”と定義した場合、修学旅行にどのような変化が起きたのだろうか。

「海外修学旅行に関して言えば、実施されるケースは戻ってきてはいるものの、戻り方としては非常に緩やかです。制限という観点から言えば、海外修学旅行が可能な状況になっていますが、コロナ禍前と比較すると、旅行代金自体が非常に高騰してしまっているのが、その主な理由です」

原油価格・燃油サーチャージ・航空代金の高騰や、諸外国の物価高騰、円安、などという要因から、たとえばコロナ禍前では一人当たり20万円だった海外修学旅行費が、現状では30~40万円になっているという。

〈コロナ禍以降の修学旅行事情〉海外への旅行費用は倍に、人気の旅行先は京都・奈良。それでも生徒たちのいちばんの楽しみはやはり…_2

一方国内の修学旅行事情は、

「3年生時の春に新幹線を使って修学旅行に行く場合、1年生時の秋から冬にかけて、事前にJRに輸送の申し込みをする必要があります。そういった背景も含めて、そもそも予定していた修学旅行先に戻す、というのが一番多いパターンです。その結果、従来通り関西方面を修学旅行先に選ぶのが主流になっています」

実際に日本修学旅行協会の調査によると、行き先と人気の高かった沖縄県を抜いて、高校生でも京都・奈良が増えているそうだ。