職場の滞在時間12時間+仕事の持ち帰り&休日出勤

関西地方の小学校で特別支援学級の担任として働く30代男性は「本当にやりがいのある仕事で、私自身は辞めたいと思ったことはありません。ただ、厳しい労働環境を考えると、なり手が少なくなり、日本の公教育が成り立たなくなるのではないでしょうか」と危機感を覚えている。
この男性は、児童が登校する30分ほど前の7時半には学校に出勤。6時間目までの授業を終え、15時半すぎに子どもを見送るまでの8時間、一般企業では当たり前の「昼休憩」はない。

※写真はイメージです
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「子どもにとっては休み時間、給食の時間でも、教員にとっては、子どもから目を離せない時間。気を抜くことはできません」

子どもが下校してからも、仕事は続く。
17時ごろまでは会議や打ち合わせ。それが終わればさすがに勤務終了……となるはずが、その後も保護者への連絡や行事の準備、子どもの学習課題の用意など、やることは山のようにある。

日常的に残業をしないと仕事がまわらず、平日は18時半~19時半まで残業するのがほとんどだ。1日12時間ほど学校で過ごすうえ、家では職員会議に提案する資料を作ることもある。
男性は「同僚も、若手・ベテランに関係なく、家に仕事を持ち帰ったり、休日出勤をしています。長時間働くことが当たり前になりすぎています」と、長時間労働に「麻痺」している現状を嘆く。