習い事よりも大切なことがある
「からだの脳」が育つよりも先に、「おりこうさんの脳」を育ててしまう。そうすると、幼少期は親の言うことをよく聞き優秀だった子どもが、小学校高学年以降に、不登校や不安障害など、こころの問題を引き起こすリスクが高まります。
脳育ての順番を軽視すると痛い目に遭う、これは事実です。
「からだの脳」がしっかりとした土台を築き、その上に「おりこうさんの脳」、「こころの脳」が乗るのがよい脳育ちのイメージです。「からだの脳」が貧弱に育ってしまうと、後になって「おりこうさんの脳」や「こころの脳」をいくら積んでも、バランスを崩して倒れてしまう危険性があります。
からだ脳がおりこうさんの脳に比べて小さいと、崩れて落ちてしまう
たとえば、二階がリビングの戸建ての家に住むという前提で考えてみてください。
皆さんが求めているのは、リビングに置く素敵なソファであったり、大画面テレビだとしましょう。それらをほしいと思うのが間違いだとは思いませんが、一階(=からだの脳)の建物が二階(=おりこうさんの脳)に比べてあまりに小さいと、二階にいろいろなものを詰め込んでしまうと崩れ落ちます。もしかしたら詰め込まなくても、ほんの小さな地震で家は崩壊してしまうかもしれません。大震災が来たら、家族全員がつぶされてしまいます。
一階、つまりからだの脳がちゃんと出来上がっていれば、小学生の子どもは夜になったら寝て、朝になったら起きて「お腹すいた!」と言って朝ごはんを食べる。満足して幸せな気分になって「行ってきます!」と言って学校に行きます。
一見、普通に毎朝起きて学校に毎日行っている子どもであっても、実は朝はまだ半分寝ている子どもを無理やり起こしたり、空腹でない子どもにごはんを食べさせようとしている家庭のほうが圧倒的に多いことが小学校の調査からわかっています。