時代性、個性、20代にも刺さったCMキャスティング

その最たるものが「大人エレベーター」シリーズのCMである。

「黒ラベルのブランドメッセージ『丸くなるな、星になれ。』にあらためて着目し、黒ラベルに対してお客様が思うイメージを、アンケートやヒアリングを通して可視化していきました。すると、『憧れの存在』や『芯の通った大人が選ぶビール』といった声が多かったんです。

こうしたお客様のイメージをコンセプトの核に据え、新たな付加価値として打ち出せれば、ブランドの成長に寄与する……そう考えて、取り組んだのが『大人エレベーター』シリーズのCMだったんです」

10年間で飛躍的に伸長した「サッポロ生ビール黒ラベル」は、なぜ20代の心まで掴んだのか。「ブランドの若返りを狙って、訴求ターゲットを若年層に合わせたのではありません」_2
期間限定で発売される遊び心あふれる「コラボ缶」も若者から人気

CMに起用したタレントや芸能人のキャスティングは、社員みんなで議論しながら、選定していったそうだ。時代にマッチしているか、自分らしさを持っているか、20代にも刺さる人なのか。「大人」や「憧れ」という言葉にぴったりな人選と絶妙な起用のタイミングなどが相まって、同CMシリーズは黒ラベルを象徴するもののひとつとなった。

そして、2014年には飲食店向けに展開する取り組みである「パーフェクト黒ラベル」をスタートさせる。

生のおいしさにこだわり続け、極限まで品質や味わいを追い求めてきた黒ラベル。

そこから、さらに「完璧な生ビール体験」を提供し、最高の一杯を目指したのがパーフェクト黒ラベルとなっている。

生ビール本来のおいしさや香りが生きる徹底した温度管理、ミクロン単位のきめ細かい泡、丁寧に洗浄されたクリアなグラス。

クリーミー、クリア、コールドの3つにこだわったパーフェクト黒ラベルは、厳しい基準をクリアした飲食店のみが提供を許されるもので、黒ラベルのブランド価値を引き上げる大きなきっかけになった。