多様化する大喜利の世界
――そんな中でも『大喜る人たち』などのアマチュアも交えた大喜利ライブには出演なさっていますね。
川北 『大喜る人たち』では冬の鬼さんとか俺スナさんとか、そういう(アマチュアの)人たちの華のなさがすごい。
ガク 芸人じゃないし華を出す必要がないからね。
川北 回答の良さだけで戦っている。でも、俺は人の回答に乗っかってるだけなんで、自分がした回答とか何も頭に残ってないんですよ。
ガク 僕も全然覚えてないですね、自分の答えも他の出演者の答えも。でも、「大喜利で好きだった回答は?」みたいな質問って、たびたびもらうんです。メモぐせをつけたほうがいいですね……。
川北 『大喜る人たち』で、(お笑いトリオの)ハチカイの警備員という芸人が「ちびまる子ちゃんの世界で起こったバトルロワイヤル」ってお題にした絵回答が一番面白かったな。
ガク あれは面白かったね。
川北 大喜利やる人って、気に入っている回答とかがあるらしいんですよ。自分たちも大喜利は好きだと思ってやってるけど、そういう人たちと比べたらそんなに好きじゃないのかなって思います。
ガク 大喜利ライブの楽屋とかで、「良かった回答は?」みたいな話になるよね。
川北 そうそう。みんな他の出演者の回答とかよく覚えてるし、「順位お題は良くない」みたいな議論を楽屋でしていたりして。
ガク 「デート中やってはいけない〇〇。第1位は何とか、第108位は?」みたいなやつね。
川北 「アホアホ高校」みたいなお題も彼らに言わせると良くないらしいんですけど、わからないんですよ。自分は答えやすいって思っちゃいますが。
ガク 「アホアホ高校の校則とは?」とかね。そんなに掘り下げて考えてない。大喜利は趣味とか言えるほど好きではないかもね。
――二人の本ネタについても比較的大喜利っぽい構成にも思えるのですが。
川北 それとこれとは違うような気はしますね。ネタと大喜利が違うというか、俺らがやってる大喜利が違うのかな。普通の大喜利じゃなくなってきている感じがして。バッファロー吾郎さんが主催していた『ダイナマイト関西』や『IPPONグランプリ』のような、フリップに書く内容がそのまま回答になってる大喜利だったらネタに近いのかも、と思います。俺らがやってる大喜利って、めちゃくちゃしゃべってるのにフリップに回答として書いてあるのは最後のオチだけだったり、どこまで遠くに飛ばせるかを競っている感じで。
ガク ホームランコンテスト状態?
川北 そう。それでいて俺は人の回答に乗っかるだけだし(笑)。大喜利とネタは近いのかもしれないけど、俺らがやってる大喜利はネタとは全然関係ないです。
ガク 大喜利も多様化してきていて、それぞれ違う競技かもしれない。