本物の代わりに食べていたドーナツ型、舶来イメージの強いアメたち
パインアメ(パイン株式会社/149円/10分)
これも、物心ついた時には身近にあったアメ。
当時なかなか食べられなかったパイナップルの味を楽しむ手段でもあった。
輪切りの果実を模したドーナツのような形状が特徴で、なめているとだんだんと穴が広がり、細い輪っかとなっていく。
私はこのアメを見ると、幼い頃家族と一緒に行った、近所のラーメン屋を思い出す。そこのラーメン屋では、食事を終えて親が会計を済ませると、子どもに一つずつ、このアメをくれたのだ。
家族との外食のささやかなデザートになってくれたパインアメは、私の記憶の中で鮮やかなイエローを主張している。
チェルシー(株式会社明治/213円/11分)
アメというよりキャンディーと呼ぶのが相応しいかもしれない。バター、ヨーグルト、コーヒーという3つのフレーバーで、子どもだった私達にはダントツでヨーグルトが人気だった。ミルク感を含む甘酸っぱさは、当時他のアメにはなかったからだと思う。
舶来イメージの強いCMは今でも憶えている。
たどたどしい口調で「あなたにも、チェルシー、あげたい」とつぶやく白人の少女。
「ほうら、チェルシー、もうひとつ、チェルシー」というテーマソングはまだ口ずさめる。
まるで異国からの転校生。そんな憧れすら感じるアメだった。