「明るいもの楽しいものへの憧れが強くあります」
Q.6 中原先生の作品を読んでいると、いつもいつの間にか明るい気持ち、楽しい気持ちになります。以前インタビューで「私は追い詰められるとストーリーから笑いが一切消えてめちゃくちゃ暗い雰囲気を漂わせてしまうという癖があり(心理状態がそのままお話に現れてしまう)」とおっしゃっていたのですが、笑いや明るさのある物語にしよう、と意識されている、ということでしょうか。また、いつか逆に「めちゃくちゃ暗い雰囲気を漂わせる」作品を描く可能性もありますか?
ありがとうございます!
私自身が生まれつき陰キャなので、明るいもの楽しいものへの憧れが強くあります。
そもそも漫画を描くのが大好きというわけではなく、陰キャゆえに、誰にも会いたくないし誰とも喋りたくないし出かけたくもないので、最低限人間であるための社会奉仕活動および修行としてこの仕事を続けています。
他に出来ることが何もなく、漫画を描かないということは人間でなくなるということになりますから必死です。なので、気を抜くと必死感が出過ぎて我の陰キャ人格が漏れることが多々あります。
一生懸命隠すため陽キャを描き、自分も明るく楽しい人になったような気持ちになり、読者さんにも同じようにハッピーになっていただきたい、という思いで漫画を描いています。
陰キャのままめちゃくちゃ暗いお話も描けるんですけど、いっこもおもしろくないんですよね! うんこみたいなお話にしかならないことを知っているので暗いお話は描かないです。
Q.7 「ココハナ」で連載中の『狼に鈴』で、特に重点を置いて描かれていることをお教えください。主人公の鈴ちゃんと狼谷くんの関係が気になるのはもちろん、がんばっている鈴ちゃんを応援したくなる作品です。会社のみんながいい人たちであることも今作のやわらかな空気感を作る要因のひとつのように思います。また今後の展開で話せることがあればお願いします。
ありがとうございます!
『狼に鈴』はコロナ禍に生み出したものなので、とにかく読んでくださった方々が明るく笑えて嫌なことを全部忘れられるような楽しい漫画にしたいと思いました。
関西弁で吉本新喜劇のようなノリにして、カラーイラストなども派手で楽しくなるように意識したりしていました。
作中に出てくる会社も、現実ではこんなに仲良くて飲み会も楽しい会社なんてあまりなさそうですが、あれば楽しいねという気持ちで描いています。
今後もどれだけ笑ってもらえるか、それだけ考えてハッピーな漫画にしたいと思っています。先のことはノリと勢いで!