「ちょっと違う要素が入っている枠に滑り込めれば」と思った

––––「マーガレット」には、大学時代に投稿を始めたそうですね。

そうですね。実は、集英社の少女漫画をそれまでほとんど読んでいなかったんですよ。別の物語があって、その流れの中にラブロマンスが入ってくるような漫画は好きで読んでいたんですが、学校に通っている男の子と女の子の恋愛が中心の作品自体、ほぼ読んでいなくて。じゃあなぜ「マーガレット」に投稿したんだ?という話なんですが(笑)。

自分が描ける絵柄が少年誌向けのものではなかったのと、小学館の雑誌に投稿していた友だちに「理子ちゃんは集英社の雑誌……『マーガレット』に投稿ね」と決め打ちで言われまして(笑)。そこからマーガレットコミックスを借りて読みました。

––––読んでみて、どう思いましたか?

槇村さとる先生や岩舘真理子先生の名作を貸してもらったんですが、どれもすごくおもしろかったです。ただ自分が描けるかというと、そうは思えず。案の定、投稿では落ち続けました。

でも諦めかけたときに、当時あった「マーガット」と「別マ」の合同の賞に出してみたら、デビューさせてもらえた、という感じです。

––––そこからは順調に?

いえいえ。27〜8歳の頃、当時の編集長から「君の今までの絵柄とストーリーでは、これ以上連載枠はとれない」と言われまして…。

いろんな人に相談したのですが、「別の雑誌に移ったら」と言う人が多い中で、「もっと振り切って何かやってみたら?」と言ってくれる人がいて。振り切るってどういうことかな?と思いながら、先ほどの「理子ちゃんは集英社で」と言ってくれた友だちに話したら、「『少女コミック』ではエロが流行っているんだけど、『マーガレット』にはないから狙い目だと思うよ」と。

それでいろいろと研究をして、ちょいエロな『花になれっ!』という漫画を描きました。

【漫画あり】「漫画家は孤独。何のために描いているんだろうと思うこともある」–––「メイちゃんの執事」シリーズ・宮城理子が32年間漫画を描き続けられた理由_1
『花になれっ!』より。花の香りを放つ「花人」のももが、蘭丸を一途に想いながら、男性たちを次々に惑わせてしまう様子を描く
漫画を読む

『花になれっ!』はエロではあるんですが、自分の中で「『マーガレット』では、ここまでは描かない」という基準は設けています(笑)。

––––“マーガレット的”なものも意識した、ということでしょうか。

ちょいエロなので、“マーガレット的”なものは意識していないです(笑)。“マーガレット的”なものは、昔から「マーガレット」を読んできたうえで描いている作家さんたちには敵わないです。本当にみなさんうまいので。

––––“マーガレット的”なものを言葉にすると、どうなりますか?

「別マ」は王道の学園ラブストーリーで確立していると思うんですが、「マーガレット」にはちょっと違う要素が入っている漫画も昔からありましたよね。私はその枠に滑り込めれば、と。

あと月に2回出るというペースの速さもあって、いろんなことにチャレンジしやすいのかなと思いました。

––––やはり月2回という形態は、連載するうえでの影響が大きいのですね。このインタビューのシリーズでも、そのことに言及する作家さんが多くいらっしゃいました。

大きいと思います。私は2〜3年前に月1回・31ページの連載に変えていただいたんですが、こんなに作り方が違うんだと思いました。

ページ数が多いとストーリーの展開のさせ方も違うし、「間」も入れやすい。一方で月2回だと、ページ数も少ないので間は入れにくいし、すぐに次回への引きをつくらなきゃいけないんです。だからこそ、読者さんの反応を見て、方向転換がしやすいというメリットもあるんですよね。

それとデジタルで読むには、すぐに次回への引きがくるような、テンポの速い漫画のほうがサクサク読んでもらえそうな気がするので、どちらにもいいところがあるなと思います