樋口監督が高2で観た映画の配収ベスト10とは!
前回、取り上げた映画の興行収入を調べたんですが、あの当時は興行収入ではなくて配給収入でカウントしていたので、今の成績と比較するには約2倍にするとイメージしやすいです。それよりもその年…1982のベスト10がなんといいますか…。
3位が20世紀フォックスと香港のゴールデンハーベストの合作で、世界中からスターとスーパーカーを集めてアメリカ大陸横断レースをさせる大風呂敷映画『キャノンボール』(1981)。2位が薬師丸ひろ子主演の角川映画『セーラー服と機関銃』と真田広之主演の『燃える勇者』の2本立て(共に1981)。で、1位がアフリカで文明と隔絶された地域に住む民族が主演のコメディ映画『ミラクル・ワールド ブッシュマン』(1980)。
ちなみに、上の「1982年の映画配収ベスト10」というのは、1981年12月から1982年11月に公開された映画で構成されています。だからこのベスト3は私が高校1年のときに見た映画が入ってしまうんだけど、こういう映画が大ヒットしていた時代って今と全然違うのがおわかりいただけるでしょうか?
ちなみに、この連載はあくまでも“高校2年の私”が映画館で見た封切作品(名画座やリバイバルは除外)をテーマにしていますので、1982年4月から1983年3月に公開された映画が対象です。その間の映画の配給収入ベストテンはこちら。
まあ、なんというか、私を壊した映画とはあまり関係ない映画が並んでます。 この頃からすでに、俺の好きな映画は愚衆どもにはわかるわけないんだ的なルサンチマンの兆候が見え隠れしてますが、それは今も変わらないので治しようがありません。
に、しても、映画というものがもっとショウというか興業のにおいがプンプンしていた時代の名残を感じます。綺麗なシネコンじゃなくて、こぼしたジュースが乾いてベタベタする床とか、座席指定がないから、エンドロールが始まったらすぐさまドアが開いて空いた席目指して殺到する次回の客と、席を立とうとした前回の客がぶつかるカオスとか、決してお行儀がいいとは言えない娯楽だったのです。