明石市に続くような子ども支援政策を目指して

そこで永井さんは自身が住む、さいたま市北区を選挙区とする枝野幸男事務所の門を叩き、今回のさいたま市議選に向けて活動を続けていた。
永井さんが政治家を目指そうと思った背景には、自身の家庭環境がある。母子家庭で、けっして裕福ではなかった。

【グラビアアイドルから政治家へ転身】なぜ元ミスFLASHは政治家を志したのか? 地方議会の「高齢化」「男性社会」「なり手不足」に一石を投じるさいたま市議会議員・永井里菜が忘れられない祖母の悔し涙_4
母子家庭で育った永井さん

「母は朝から晩まで働いていて、小さい頃は一緒にいた記憶がありません。母は私たち兄妹3人に不自由な思いをさせないように、自分には何もお金を使わずに私たちにすべてのお金をかけてくれました。私たちは祖父母の家で預かってもらっていたので、母は働きに出ることはできましたが、預け先がないとなかなか厳しいと思います。
友達にも母子家庭で貧しい家庭の子がいたんですが、 体操着はお下がりでボロボロのものを着ていたり、給食費を払ってないことが学校中に広まることでいじめにつながっていました」

ひとり親世帯の苦労を身をもって知る永井さんはボランティア活動を通し、さらに支援の必要性を強く感じたという。

「2か月に1回、『フードパントリー』というサービスの裏方でお手伝いをさせていただいています。そこには生活困窮者の方や母子家庭の方が来るんですが、『もうちょっとなんとかしてください』というお母さんが多く、『食費を削るところはもう削っていて、これ以上は削り出せない。
学校の体育着など備品は高くて、そこにお金をかけられない。お下がりを人からもらうしかない』と打ち明けてくれます。最近では物価も上がっているのでさらに困窮し、生活ができない人も多いんです」

【グラビアアイドルから政治家へ転身】なぜ元ミスFLASHは政治家を志したのか? 地方議会の「高齢化」「男性社会」「なり手不足」に一石を投じるさいたま市議会議員・永井里菜が忘れられない祖母の悔し涙_5
「特定非営利活動法人 埼玉フードパントリーネットワーク」のホームページ

選挙では「安心して住み続けられるまちづくり」を公約の一つに掲げた。

「子育て支援では明石市前市長の泉房穂さんの政策が知られていますが、さいたま市でも同様のことをしていきたいと思っています。さいたま市は政令指定都市の中でも子どもへの支援が遅れているんです。小中学校の給食の無償化はまだですし、保育園の待機児童は少なくなったんですが、学童保育の待機児童が昨年度はすごく増えてしまっています。そういう部分も改善していきたい」