父親は取材に「あいつが何を考えているかわからない」

時折、父親から怒鳴られていることもあったというが、木村容疑者は黙って父親のいうことを聞いていたという。父親の知人が語る。

「木村容疑者の父親は仕事はすごく真面目なんだけど、ヤマっ気が強く、短気な人ではありました。配送ドライバーって取引先で失礼な扱いをされる時があるんですけど、木村容疑者の父親はそういった扱われ方をされてトラブルを起こしてしまったこともありました。

ヤマっ気が強いというのは当時熱心に先物相場をやっていて、素人がそんなことやらない方がいいって私が言った時も『大丈夫、大丈夫』と言っていました。小豆とかコーヒーとかの先物だったと思います。一山当てるんだという話をよくしていましたが、家族の話はあまりしませんでしたね」

そんな父親も5年前に家を出て行った。父親は事件後、複数のメディアの取材に「(離れて暮らしているし)あいつが何を考えているかわからない」「何で僕が語らなあかんですか?」と答えるなど、木村容疑者とは距離があったようにみえる。

「首相を襲撃するなど言語道断です」木村容疑者が最初に頼った宇都宮弁護士が喝!「あいつが何を考えているかわからない」と答えた元配送員の父親との本当の関係とは?〈和歌山・岸田首相襲撃)_3
幼少期に車屋の社長を夢見たことも…(文集より)

ここ最近の木村容疑者は定職につかず、ニートのような暮らしをしていたというが、政治の世界に活路を見出そうとしたようだった。
全国紙記者が語る。

「木村容疑者は去年の6月に参議院選挙に立候補しようとしましたが、公職選挙法で被選挙権については参院議員と都道府県知事は30歳以上と定められているので、当時23歳の木村容疑者は立候補できませんでした。また、立候補するには300万円の供託金が必要だとする規定もあり、それらを憲法違法であるとして国に10万円の損害賠償を求める訴えを起こしたんです。弁護士をつけない、いわゆる本人訴訟で争っていました」

2022年7月8日、安倍元首相が参院選の応援演説中に銃撃されて死亡。7月14日に岸田首相は安倍元首相の国葬実行を表明し、9月27日に国葬セレモニーは行われたが、木村容疑者はこのことについても批判している。「岸田内閣は、安倍元首相の国葬を世論の反対多数の中で強行した」と準備書面を裁判で提出していたのだ。

また、岸田首相について、木村容疑者のものと思われるTwitterでは〈岸田首相も世襲3世ですが、民意を無視する人が政治家には通常なれません〉と痛烈な批判を浴びせていた。さらに、〈世襲が蔓延る原因は、300万円もの供託金を要求する違憲な公選法があるからです。庶民は立候補出来ず、民主主義は崩壊します〉と現行の選挙制度に対し強い不満を投稿していた。

「首相を襲撃するなど言語道断です」木村容疑者が最初に頼った宇都宮弁護士が喝!「あいつが何を考えているかわからない」と答えた元配送員の父親との本当の関係とは?〈和歌山・岸田首相襲撃)_4
木村容疑者が投稿したと思われるTwitter