3年目で岐路に立つ佐藤輝明

さて、昨年に続き期待されている選手の中では、大山悠輔選手が開幕からいい滑り出しを見せました。ただ、調子がいい時は必然的に塁上にいることが多いので、走塁でのケガや、野手との接触など、普段はしないケガをしてしまう可能性が高くなる時でもあります。調子がよく、バットが強く振れるがゆえに、わき腹を痛めてしまうこともあります。調子がいい時こそ、してしまうケガもあるので、そのあたりは気をつけてほしいですね。

少し、心配なのは佐藤輝明選手の状態です。佐藤選手は今年でプロ3年目。今後、純粋なホームランバッターとして歩んでいくのか、それとも、ホームランを狙うだけでなく打率も求めるバッターになるのかの岐路に立っています。

今シーズンは、より打撃に集中できるよう、ポジションが三塁手に固定されました。佐藤選手のいちばんの魅力はボールを遠くに飛ばせることですが、打撃結果を見ると、フライアウトが少なく、打球があまり上がっていません。ホームランバッターを目指すのであれば、たとえアウトになったとしても、フェンスギリギリで捕られるのか、詰まってしまってフェンスよりもだいぶ手前で捕られるのかでは大きく評価が違ってきます。

四球も選んではいるものの、自分の形で打ちにいって見逃しているのではなく、タイミングがとれていないように見えます。新しい打撃フォームやタイミングの取り方が、まだしっくりきていないのかもしれませんが、ここを改善していかないと、シーズンを通じて苦しんでしまう可能性もあると思います。

ただ、選手というのは、ひとつの四球や、ひとつのファールでも、「これだ」と思う瞬間があります。WBCの期間中、不振だった村上宗隆選手が、準決勝のメキシコ戦でサヨナラヒットを放ったように、何か一瞬で変わるタイミングがあるので、佐藤選手にも、これからの試合の中で全ての流れが変わるようなきっかけとなるプレーがあるかもしれません。


構成/飯田隆之