リニューアルした「NHKのど自慢」に何を思う?
「これまでの『のど自慢』は生放送とはいえ、どこかのんびりした空気があったのですが、新しくなって少しせわしくなった印象を受けました。カラオケ音源もやはり残念ですね。生バンドの良さは、歌い続けたおばあちゃんの話のようにアドリブができること。
素人の方だと、本来より遅いテンポで歌ってしまうこともありますが、バンド演奏ならさりげなく伴奏のスピードを落とすといった調整をしていたんです。ですから、どのような理由かはわかりませんが、そこ(生バンド演奏)は貫いてほしかった」
もちろん、秋山さんはすべてを批判的に見ているわけではなく、「新『のど自慢』もこれからどんどん良くなってほしい」と古巣にエールを送る。
さて、長年お世話になった番組から巣立った秋山さんは今後どのように過ごしていくのか。
「21年間、週末になると放送のためにいろいろな地方に出張していましたが、今はのんびりしています。
妻は週末に私が家にいることにまだ慣れないようですね。この間の日曜日(リニューアルして最初の放送日)も私が家にいるもんだから『今日は月曜日だっけ?』と聞いてきましたよ。
今後についてですか? とりあえず就活でもしましょうか(笑)。とりあえずしばらくはゆっくりして、また何かしら音楽に携われたらなあ、とぼんやり思っています」
リニューアルされた「NHKのど自慢」では、鐘奏者は各地のオーケストラの打楽器奏者が担当することになっている。つまり、毎週同じ人が叩くことがなくなるということで、残念に思うのど自慢ファンは多い。
最後に秋山さんはトレードマークの笑顔で穏やかにこう語った。
「今まで応援していただいて本当にありがとうございました。これからもみんなが『のど自慢、大好き』と言って、テレビの前に集まってくれたらうれしいです」
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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