チケット1枚に「125万円」も…

もちろんチケット代も異常に高騰している。前出ファンが語る。

「いわゆる見切れ席のチケットが5万円以上で売られていました。私は正規の3500円で購入できましたが、さすがに5万円は高すぎますよ」

定価の15倍近くと跳ね上がっており、ベテランの転売ヤ―によると「世界規模のスポーツ興行ほど手が出しやすい」のだという。

「中でもWBC関連は一番、稼ぎやすいと言えます。6000円のチケットが安くても3万円以上、日韓戦なら4万円以上で売れるし、全体的にどの席のチケットでも最低で定価の5倍にはなります。大谷とダルビッシュ人気のおかげですでに相当利益が出ていますが、今後のチームの活躍次第で価格はさらに高騰するかもしれません」

【WBC転売問題】ネット裏チケットは驚異の1枚125万円! 転売ヤーは「今が一番稼ぎやすい」とグッズショップの入店抽選券までSNSを駆使して転売_5
大谷翔平タオルを購入できた女性ファン

実際に某チケット売買フリマアプリでは、3月16日の準々決勝ラウンドのネット裏のダイヤモンドボックス席のチケットが1枚125万円で売られていた。定価は5万2000円なので、およそ24倍の価格である。
チケット不正転売禁止法では興行主の事前の同意を得ず、営利の意思を持って定価を超えるチケットの高額転売を反復継続して取引を行うことは禁止されている。それでもなぜWBCのチケット転売はなくならないのか。
前出転売ヤーが語る。

「WBCだけではなく、サッカーや韓流カルチャーといった世界的な人気コンテンツは市場規模も格段に大きくなります。
市場規模が大きければ、売れ残りが出にくくなりますし、警察の対応もそのすべてに追いつけない状況になります。日本のアーティストのチケットの転売を行うよりはリスクも少ないんです」

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大歓声が響き渡る東京ドーム周辺では、チケットを買えなかった多くの人が、少しでも近くで応援したいとスマホやラジオで観戦していた。
今もなお横行する悪質な転売。早期の対策が望まれる。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班