強引な犯罪検挙をする警察官を減らしたい
「神奈川県警 自動車警ら隊 パワハラ」でネット検索すると一番上に表示される、2020年に起きた有名なニュースがある。
今回インタビューを受けてくれた「よっしー部長」は、その当事者ではないものの、一連の出来事に巻き込まれたことによって、警察組織そのものに嫌気が差し、18年間勤めた神奈川県警を退職した。
しかし、退職する以前から、検挙数ばかりを追い求め、時にはグレーな手段すら厭わない警察のやり方に、彼は強い疑問を感じていたという。元警察官だからこそ知り得る犯罪検挙の内側、そしてそれを発信する真意について伺った。
――元警察官という肩書きでSNSを中心に情報発信されていますが、その動機は何でしょうか?
本当に悪い人を裁けず、正直者が割を食うような法律や仕組みに対して、「警察って胡散臭いな。なんで俺は警察をやっているんだろう」と現役時代から違和感を覚えていました。
「警察24時」みたいなテレビ番組は、警察にとって都合のいい部分を全面的に押し出しますよね。でも、警察にとって耳が痛いこともちゃんと発信して、警察という組織を正していきたい。それが僕なりの思いやりというか。
たとえば、犯罪検挙だけを追い求める自動車警ら隊(※以下、警ら隊)の考え方だったり、悪質な職務質問(以下、職質)だったり、現状の警察はよくない部分が多すぎるんです。
僕みたいな元警察官で、警察の内情について発信する人が出てきたことで、「よっしー部長に言われちゃうかも」と考えて、強引な検挙をする警察官も減ると思うんですよ。そういう盾みたいな存在になれるかなと思って、YouTubeとTwitterで発信し始めました。
※ パトカーに乗り、各警察署の管轄区域を越えた各都道府県内全域のパトロールを主な任務とする組織