新人のタイプ別に仕事を振り分ける

では黒服志願の若い男性の場合はどう対応するか。ムラカミさんは「人の仕事の仕方は2種類あると思っています」という。

「ひとつは周りとコミュニケーションを上手に取りながら、賑やかに仕事をしていくタイプ。もうひとつはコミュニケーションを取るのは苦手だけれど、目の前の仕事を淡々と黙々とこなしていく職人タイプ。どっちが良い悪いでは無くて、職人にコミュニケーションを求めても無理なので、指導のアプローチも仕事の振り方も変えます」

どう指導を分けるのか。

「職人タイプには、『灰皿は、吸い殻1本あるだけでも交換する』とか、やるべき仕事の項目のみを教えます。コミュニケーションタイプには、『なぜそうするのか』と理由まで言う。これ、逆にすると両タイプともうまくいきません」

営業中の店内でも、任せるテーブルが違う。たとえば職人タイプには、人気キャバ嬢のテーブルが良いという。

「売れてる女の子って、客席で『○○ちゃんワールド』みたいな自分の世界を作るのがうまいんですよ。お客さんもその世界にひたりたくて来ている。そういうところに話し好きな黒服が来てお客さんとやりとりをすると、女の子がせっかく作った自分の世界を邪魔されているようで、嫌がるんですよ。そういうテーブルにはテキパキと、黙々と仕事をする職人タイプがいい」

「逆にコミュニケーション好きな黒服には、大学生のアルバイトキャバ嬢みたいな、サークルのりのテーブルがいいです。一緒に盛り上げてくれて助けてくれるから」

こういう差配だけで、「売り上げが2、3割は違ってくる」という。

キャバ嬢5万人をフォロワーに持つ黒服の人の心をつかむスーパー仕事術_c
ムラカミさん目当てに来店するお客さんもいる