部下と友だちにならない
では新人さんと接するときに、ムラカミさんがまず心がけていることはなんだろうか。ソフトな動画の印象とは真逆のシビアな答えが返ってきた。
「仲良くしようとは思わないってことですね。別にわざと嫌われる必要もないですが」
その理由は何か。
「お店に友だちを作りに来ているわけではないですから。女の子はガッツリ稼ぎたい目的があり、男の子は客商売を学んで将来は独立したいとか夢がある。そして私には店を連日満員にして売り上げを作る責任があります。仕事場という意識をもってもらうことが大切なんです」
担当しているキャバ嬢から、たとえば「好きな人ができた」というようなプライベートな話題を持ちかけられることもある。話には一応乗るが、最後には一線を引く。
「『え、どんな人?』とか会話はしますけれど、恋愛相談のようなプライベートな領域には踏み込みません。そして会話の最後は必ず仕事の話で締めます。仕事場だけの人間関係ですから」
非常に厳しいように感じるが、これも「酒と色」を売る仕事だからこそ、逆に必要な規律なのかも知れない。