「どつき漫才」と「罰ゲーム」は本当にいじめを助長するのか? コンプラ全盛の今、テレビが果たすべき「ちょいワルな先輩」という役割のゆくえは?
テレビマンがNGなしで書き下ろした『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』 (光文社)。今回は、ドッキリや漫才のツッコミなどの「痛みを伴う笑い」といじめ問題について一部を抜粋、再構成してお届けする。
『腐ったテレビに誰がした?』#2
もちろん「いじめをなくす」というのも大切です。でも本当に「罰ゲーム」はいじめを助長しているのでしょうか? そして、いじめを助長しない工夫をすることはできないのでしょうか? もっと現場の事情に寄り添って具体的に考えていかないと問題の解決にはならないと思いますし、テレビにあまりにも「倫理的な模範となるべき」という役割を押し付けるのもちょっと違うと思います。
私の世代は『8時だョ!全員集合』のような、放送当時は「俗悪番組」とされていた番組を見て育ちました。でも、本当にドリフは俗悪だったのでしょうか? なんとなく私たちは「俗悪というレッテルを貼られた番組から人生を学んできた」のだと思うのです。
「まじめだけどつまらない先生の話」より「ちょいワルだけど面白い先輩の話」のほうが勉強になることも多いはず……テレビが果たすべき役割は「マジメな先生」ではなく「ちょいワルな先輩」でいいのではないか、と思えてならないのです。
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『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)
鎮目博道 (著)
2023/2/22
208ページ
ISBN:978-4334953638
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YOUTUBEに押され「テレビは終わった」と言われたりしているが、本当に凋落の一途をたどるのでしょうか!?
[番組の病巣][制作の闇][人材の裏側][周辺の実情][放送の壁]の5つのジャンルについてをこのような見出しで。
【ニュース】信頼をなくしたのは「レギュラーコメンテーター」がいるから。コメンテーターは毎日変えるべき
【海外ロケ】「歓迎の踊り」30万円! 海外ロケには「不思議なお約束」が……「あの探検隊」から現在まで続く「ビックリルール」の数々
【スポンサー】「ポルシェ」や「フェラーリ」が事故を起こすとニュースになっても、国産車の名前は明かされないのはスポンサーへの忖度……など45項目。