和洋折衷、店内の世界観も楽しい!
矢島さんが所属するクリエイティブスタジオ「KLOKA(クローカ)」では、近年食にまつわるユニークなフードアートを数多く発表しているが、常設の店舗としては小楽園が初となる。
メニューのレシピ開発も矢島さんが担当した。部分的にプロのアドバイスを受けているというものの、「私たちはプロではなく素人。こうしたいというイメージを、実際に食べ物として仕上げるまでが本当に大変でした」と話す。
店内の演出もユニークだ。ヨーロッパの家具や小物、中国の提灯、インドのついたてなど、さまざまな文化が入り混じり、摩訶不思議な雰囲気を作り出す。
和風チャイには、モロッコのポットとトルコのグラスを使ったり、台湾茶をあえてヨーロッパのポットで提供する。
「日本は欧州から見るとファーイーストと呼ばれる極東の地。ヨーロッパや中東、中国などからいろいろなものが漂流してたどり着いたという意味合いを込めて、国や文化をごちゃ混ぜにして店の一部になるという絵図を思い浮かべました」
中でも店内の至るところにある欄間(らんま)はひときわ目を引く。欄間は、日本伝統の建具だが、蔵に眠っていた古い欄間を購入し、磨きあげた上で着彩したそうだ。
「ヴィンテージから新品までいろんな国のものを集め、小楽園らしい味付けを加えました。ないものはオリジナルで製作しています」
1月下旬のオープン日から連日大盛況で、その独特の世界観に惹かれる人が後を絶たない。
「春に向けて、散歩がてら楽しんでいただける、たい焼きや団子、まんじゅうなども販売したいと思っています」
不思議な世界に迷い込んでみてはいかがだろうか。
小楽園 TEA SALON & BOUTIQUE
住所:東京都渋谷区元代々木町10-9 KLOKAビル
営業時間:12時〜19時
定休日:火曜
公式HP>>
取材・文/高山かおり
撮影/松本 侑