第4次焼きいもブームの要因
さつまいもは実は江戸時代から、ブームを繰り返しているんです。今は第4次ブームで、いろいろな説がありますが、2010年頃から始まっていると、とらえています。
その前の第3次ブームは戦後まもない1950年頃まで遡ります。
石焼きいもの「引き売り屋台」が登場し、軽トラックに石焼き窯を乗せた移動販売が全国的に普及したことがきっかけですね。
そして、今回の第4次ブームとなったきっかけには2つの理由があると考えています。
一つは焼きいもオーブン(電動式自動焼きいも機)の出現です。電気式の焼きいもオーブンの出現により、スーパーでも焼きいもを調理・販売できるようになったことが大きかったです。それによって専門店も増えていき、気軽においしい焼きいもを楽しめるようになりました。
このおかげで2010年から2020年の間にだんだんと焼きいもが注目されていき、現在に至ります。
もう一つはさつまいもの品種改良です。それまでは「ベニアズマ」「鳴門金時」というようなホクホクした食感のものが主流でしたが、甘みが強く、食感がしっとりねっとりとした、「安納いも」「べにはるか」が出現しました。
さつまいもがあまり好きじゃないという人の声を聞くとだいたい「食べるとモソモソする」「口の中の水分がもっていかれて食べにくい」という意見が挙がりますが、新品種の甘みが強く、ねっとりした食感のさつまいもはデザート感覚で食べられるということで人気に火がつきました。
この品種を使って、さまざまなスイーツがコンビニや専門店で販売されるようになり、それが若い世代の目にとまり、今の空前のさつまいもブームにつながっています。
特に2022年は、焼きいも専門店が夏季限定メニューで、冷やし焼きいもや焼きいもパフェをメニューに加えるなどして、通年さつまいもを楽しめるにようになったことも大きかったと思います。