本当に恐れているのは「警察」ではなく…

ガーシーが恐れているのは警察ではなかった。74年ぶりの「招状」も日本に戻ってこられない本当の理由_3
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好事魔多し。そんなガーシーはバカラにハマり、持ちガネを溶かし、約3億円の負債を抱える。そればかりか韓流スター「BTS」と会わせる代わりにカネを要求する詐欺行為を行ってしまう。無一文になったガーシーが頼ったのが、ドバイにいる飲食店経営者のXだ。

2011年3月11日の東日本大震災で福島第一原発が爆発。この爆発の主犯の1人、総理だった菅直人は、自らの首と引き換えに再生可能エネルギーを買い取る「FIT法」を成立させる。

風力、地熱など再生可能エネルギーの生産手段は多くあるが、設備投資が高すぎる。ところが太陽光は、どんな地方でも大きな土地と格安の太陽光パネルさえあれば、誰でも利益を得ることができるのだ。そこでこのFIT法利権に「黒いビジネスマン」が群がり、FIT長者が生まれることになる。

太陽光で儲けたX氏もその1人だったが、ドバイに逃げた。ガーシーはX氏を頼ってドバイに渡り、X氏の指南によって、暴露系YouTuberとしての活動を始めたのである。
ドバイと日本を往復しながらの収録であった。

もちろんガーシーに虎の尾を踏まれた芸能界は、闇のパワーを使ってでもガーシー排除を画策した。その「危機」をガーシー自身が知ることになる。

2022年7月10日に投・開票が行われた第26回参議院議員通常選挙にガーシーはNHK党の比例名簿1位で出馬。ドバイに在住したまま参議院議員となった。ガーシーは帰国しない理由を、「自身が詐欺容疑で警察による捜査が行われており、帰国すれば逮捕される恐れがあるため」としているが、「事情」を知る地下社会の住人たちはクビをかしげる。

現実的に考えても現職国会議員の逮捕ハードルは極めて高いということで、捜査から起訴まで時間がかかるばかりか結審まで含めれば相当な長期間になる。その間に示談に持ち込み情状酌量を狙うこともできるからだ。

2022年7月17日ガーシーは、医師でとしても活躍するYouTuber麻生泰のYouTubeチャンネルにゲスト出演。

「どこかで警察を信用できていない部分もあって。あと、安倍さんのこと(銃撃事件)もあって、愉快犯を含めて、俺のことをなにかしようと思ってるヤツも出てくるやろうなって。ぶっちゃけ、めちゃくちゃ怖いです」

と言った。本当に恐れているのは「警察」ではない。本音が見え隠れするのは後半の部分「怖いです」にある。

憤怒した芸能界は「闇の力」を使ってガーシーの生命(タマ)を取ろうとしているという情報は私の元に伝わっている。そのことに怯え、安全が確保できているドバイから帰国したくてもできないというのが真相のようだ。「捜査」は国外逃亡のタテマエというのが、地下社会で真相とされている。

当局がガーシーを帰国させるのは簡単で、パスポートの効力を切ってしまうだけで済む。不法滞在者は強制送還となるのだが、すでにガーシー側は、その時に備えた対応を始めているともいう。

文/若野康玄 写真/共同通信社

「大阪アンダーワールド」(徳間書店)
若野康玄
ガーシーが恐れているのは警察ではなかった。74年ぶりの「招状」も日本に戻ってこられない本当の理由_4
2022/12/26
1980円(税込)
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 248ページ
ISBN:978-4198655846
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