プロレスには、自分の人生に重ねられる選手が絶対いる

「こんなに腰くねくねするんだ」腹を括れず臨んだ撮影で泣いていたグラビアアイドル時代。プロレスラーの覚悟を見せられて人生が変わった白川未奈が語るプロレスの魅力とは_3

――唐突なんですが、白川選手の座右の銘を聞いてみたくて。

「いまを生きる」です。いまを無駄にしない、1秒たりとも。「明日やればいいや」はあり得ない。体を休めなきゃいけない日もあるけど、繰り越してよかったことって人生でなかったから。ずっとそれで生きてこられたわけじゃなくて、後悔したりとかたくさんありました。
でも、そこそこ長いこと生きているから、やっぱりいまこの1秒を全力必死に生きることが大事なんじゃないかなぁと思う。

――そこに気づけるって、すごいと思います。

人に対してもそうです。愛情を伝えるとかもそうだし、「じゃあね」って言って、次また会える保証ないじゃないですか。わたしは結構、そういうことを考えちゃう。死ぬことをめちゃくちゃ考える。全部、それに繋がってるかも。死を意識して生きてますね。

――死を意識し始めたのは、いつ頃?

小さいときからです。死んだらどうなるんだろうとか、どうせ死んじゃうからやりたいことやりたいとか、小さいときからすごく思ってたんですよ。ポジティブに死を意識しますね。

――この記事はプロレスを観たことがない方にも広まってほしいなと思うのですが、そういう方にプロレスの面白さを伝えるとするなら?

それが一番難しいですよね。音とかじゃないですもんね。

――ああ! でもわたしは何周もして、「音」って言ってます(笑)。

結局、音で「うわあ!」となったりしますもんね。プロレスは選手の成長がすごくわかりやすい。たぶんみんな常に未完成で、引退するまでどんどん成長していく。そこが他のプロスポーツとは違うのかもしれない。同じ技を使っていると、どんどんフォームもよくなるし、その技の派生形を作り出したりするし。後退することがないイメージはあるかな。

――女子プロレスの魅力として、「感情が見えやすい」と言われますよね。

それは男子もかなぁ? プロレスはやっぱり、感情。いろんなタイプのレスラーがいるから、トップを走り続ける人の苦悩も見えるし、月山みたいに勝てない人の苦悩も見えるし、わたしみたいに途中で怪我をして落ちる人もいるし。自分の人生に重ねられるキャラクターが絶対いる気がしますね。それがわかりやすい。