今後の目標は「カメラマン」と「映画監督」

そんないしだが「役者」と並行して力を注いでいるのが「カメラマン」としての活動だ。

「僕、元々フィルムカメラが大好きで、10代とかの頃から趣味で写真を撮り続けていたんです。本作の監督であるハシさんからも『趣味としてではなく仕事としてカメラマンをやってみないか』と声をかけていただき、カメラの勉強も始めています。
今はまだ、静物やポートレートの撮影が主で、カメラマンとしての本格的な始動は来年になると思いますが、グラビアアイドルさんも撮っていきたいと考えています」

更には、日本国内だけではなく中国からも「映画監督」としてのオファーが急増しているという。

「実は、中国からは監督としてメガホンを取らないかという依頼もいただいていて、来年か、再来年を目途に、2本ほど撮影をする予定が入っています。中国は2010年に歴史大河ドラマ『恕の人 〜孔子伝〜』に出演させていただいたことから、現地の大物たちと太いパイプがあるんです。

「小雪姉ちゃんを撮りたい」映画監督・いしだ壱成が語る酒井法子との“姉弟共演”仰天計画と度重なる金銭トラブルの背景にあった「実母とのサバイバル生活」_4
インタビューに応じるいしだ壱成

この年になって、“自分は人に育ててきてもらったんだ”ということが理解できるようになりました。石川県にいた頃にも演劇のワークショップを開催したんですが、自分なりに体得してきた演技論のようなものを後進に伝えたいという気持ちが湧いてきて。
今後は僕が“演者”として活動するだけでなく、プロデュースや、また、監督として作品を撮ることもやっていきたいと考えています」

いしだが「メガホンを取りたい」と思った背景には日本の芸能界の“実情”があったという。

「僕もそうなのですが、麻薬取締法違反で逮捕されたピエール瀧さんや沢尻エリカさんしかり、日本の芸能界は、一度“失敗”した人の再生を許さない土壌がある。自分が作品を撮るということが現実みを帯びてきた今、キャスティングを考えた時に浮かんでくるのはどうしてもそういった方々なのです。
おこがましいのですが、僕の撮る映画が、そういった方々が『世界』に出ていく足がかりになればいいと」

姉ちゃん「酒井法子」にオファー。
「駄目な弟だったけどオレは本気だゼ」

そんな彼が、いま一番「撮りたい」と切望するのがタレントの酒井法子(51)だという。
酒井といえば、09年、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕状が出た後に逃亡。清純派女優の大スキャンダルは日本中を大きく騒がせたが、いしだとは、95年、国民的人気を博したドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)で、酒井が長女・小雪、石田が三男の和也を演じた「姉弟」の仲だ。

「小雪姉ちゃんを撮りたい」映画監督・いしだ壱成が語る酒井法子との“姉弟共演”仰天計画と度重なる金銭トラブルの背景にあった「実母とのサバイバル生活」_5
ひとつ屋根の下

「声はすでにかけています。すごく忙しくされているので、難しいかとは思いますが、策は練っています。『ひとつ屋根の下』ではお姉ちゃんに心配ばかりかけるダメな弟の役で、『また今回も壱成がわけのわからないこと考えてる』くらいに思われてるかもしれないですけど、実は『姉ちゃん、オレは本気だぜ』っていうところは、時間がかかっても説得していきたいですね」