ツッコミのないネタは不利?
——(1位から3位の組に用意された)暫定席では、すでに2本目の準備に入っていたのですか。
本間 そんな余裕はなかったですね。次のコットンに並ばれて、その次のビスブラ(ビスケットブラザーズ)に481点で一気に抜かれて。
その後、ニッポンの社長、最高の人間と実力者が控えていたので、もう気が気じゃなかったですね。2組とも準決勝ではめちゃめちゃウケていましたから。ちょっと、あきらめも入ってました。やっぱりそんなに甘くねえよな、って。
――結果的に、ニッポンの社長、最高の人間の点数がそこまで伸びず、ギリギリでファイナルステージに残りました。
中嶋 クロコップ(8位)、ニッポンの社長(10位)、最高の人間(6位)も面白かったんですけど、結果的に明確なツッコミのないネタは、決勝のお客さんにはハマらなかった部分もあったように思いました。
本間 ニッポンの社長は、暗転とか表情の変化がツッコミ代わりになっているんですけど、口ではツッコんでいない。それだと決勝のお客さんには伝わり切らないのかもしれません。そのあたりのさじ加減がすごく難しい気がしましたね。
――2本目も平常心でできましたか。
本間 2本目は、もうお祭りでした。僕らはトップだったので、バタバタしていて、緊張する暇もなかったですし。
中嶋 ただ、2本目の点数(473点)が出たときは、もう優勝はないな、と。
本間 1本目の時点でビスブラとは11点差ついていたので、よっぽどのことがない限り俺らの優勝はないなと思っていました。
——1本目と2本目の合計点で順位を決めるキングオブコント方式だと、そうなりますよね。
本間 だから、2位を目指していたんですけど、コットンに1点差で負けちゃって。そこは悔しかったな。
——2位と3位だと気持ち的にまた違うものなんですかね。
中嶋 そんなに違わないとは思うんですけど。ただ、今回は、SNSとかで「優勝は(2位の)コットンだったのでは」みたいなことを言われていて。僕らが2位になっていたら、どんな反応があったのかなとは思いますね。
本間 この前、ある番組でビスブラと一緒になったとき、原田(泰雅)君がこぼしてたんです。「コットンがヒーローで、優勝した俺らがヒールみたいになってんですよ」って。だったらもし僕らが2位に食い込んでいたら、ヒーローになれてたのかな……みたいな。SNSとかで「や団が優勝だろ」って言って欲しかったな、って。
取材・文/中村計 撮影/村上庄吾
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