絶対ないけど、ワンチャンいけそうな、だーりおの魅力
――ドラマ『来世ではちゃんとします』(以下、『来世ちゃん』)のシーズン1は2020年1月に開始しました。エピソードの抜粋やキャスティングなど、ドラマ化にあたってどのような点を意識しましたか?
いつまちゃん それ聞きたい! キャスティング完璧すぎます!!
祖父江 主演のだーりお(内田理央/大森桃江役)に関しては、セクシャルな内容だから、とにかく女の子に嫌われない女優さんにしたかったんです。
当時、『おっさんずラブ』のちずちゃん役で女性の共感を得ていたし、気取った感じがまったくないから、桃江ちゃんを嫌われずに演じてくれるんじゃないかとお願いしました。
いつまちゃん スーパー美人なのにふわっとしてて絶妙な隙があるんですよね。彼女が演じた桃ちゃんを見てると「もしかしたら押せばいけるんじゃないか?」っていう夢を持たせてくれるところが素晴らしいです。
ちなみに、キャストで一番最初に決まったのは、林(勝)役の後藤剛範さんなんですよね? 『全裸監督』でも飛ぶ鳥を落とす勢いだったけど、『来世ちゃん』の後もグングン売れていって、いま一番スケジュールがとれないっていう。
祖父江 全裸監督のラグビー後藤よりも、来世ちゃんの林くんって言われることの方が多いみたいよ。
いつまちゃん うれしいですね! 後藤さんは本当にいい方で、撮影見学に行くといつも「漫画すごい面白かったです」ってそっと横に立って伝えてくれるんです(笑)。
祖父江 そういう人だよね(笑)。あとは……最初の最初でいうと、脚本のペヤンヌマキさんですね。私、ペヤンヌさんのことがずっと大好きで、劇団HPのお問い合わせフォームから「この前の舞台を見ました、すごい面白かったです」って、長い長い感想を書いたあとに「……ところで今度ドラマやるんですけど」ってメッセージを送りつけて(笑)。
ペヤンヌさんも『来世ちゃん』を読んで面白いと言ってくれたので、脚本に関しては悩まなかったです。
いつまちゃん ぶつ切りの4コマを一本のドラマにするのって、大変ですよね?
祖父江 脚本を作るときは、まず漫画からエピソードを書き出していくんです。その箇条書きにしたエピソードをキャラクター別に分けて、さらに桃江ちゃん×梅ちゃんとか、桃江ちゃん×松田くんみたいに誰と誰とのエピソードかを分類して並べていって、そこまでやってから、ペヤンヌさんと私で「さあ、どうしましょうか」って、パズルみたいに組み合わせて物語にしていきます。
これだけ続いてる作品だから、いろんな登場人物やテーマがあるんですよね。シーズン3には、蜜柑ちゃんが登場してルッキズムが描かれますし、リョナラーという特殊性癖を持ったリンゴちゃんも初登場します。描くことがいっぱいあって、楽しいですよ。