空気を読みすぎず、変化を楽しむ習慣づくりを
週休3日制を健全な形で導入するためには、やはり“空気を読みすぎない”ことが重要だという。
「空気を読む、つまりまわりの動きに合わせるという行為は、セロトニン、アドレナリンを大量に分泌させるため、脳を疲弊させるおそれがあります。心身のバランスを崩す原因になるので自分を犠牲にしてまで徹底する必要はありません。
2022年の日本人の『世界幸福度ランキング』は54位と、先進諸国のなかで最低ランクの順位です。支配されたいという願望がありつつも、心の奥底では全くハッピーだと感じていないのが日本人という民族なのです。したがって週休3日制を有効に活用するために必要なことは、変化を楽しんで生きるモチベーションを高めていくことだと私は考えています」
最後に、日本人はそんな変化を恐れない生き方を歩むべきだと奥村氏は教えてくれた。
「習慣を変え、変化を受け入れることは脳にとって非常に有効です。快感や意欲を活性化させるドーパミンを増やし、充実感を得ることができるので、趣味や好きなことに没頭してみてください。習慣を変えれば脳が変わり、脳が変われば人生も変わる、そして人生が変われば世界も変わります。制度的な面ではなく、感情的な面での週休3日制の議論も進めつつ、少しずつ変化を経験して脳を活性化していけば、導入に近づくのではないでしょうか」
取材・文/文月/A4studio