周囲からは幸せな家庭にみえた丸山一家だが…

県議としての活動ぶりも真面目そのものだったと県政関係者は明かす。

「伝統工芸の支援を行う長野県会議員連盟の幹事長を務め、木曽漆器や内山紙、飯山仏壇、南木曽ろくろ細工などの7つの伝統工芸品に条例で予算が付くよう、働きかけていました」

家族からの強烈な後押しを受け、その期待にも応え続けていた丸山容疑者は、逮捕直前まで政治活動にも熱を注いでいた。

「来年3月に行われる県議会議員選挙で3期目を目指す予定でした。10月22日に会館で行われた決起集会には支援者300人ほどに加え、地盤を同じくする地盤を同じくする後藤茂之経済再生担当大臣を筆頭に百瀬敬塩尻市長ら地元の有力政治家も集まりました」(同)

決起集会の場では「一周忌を終えることができ、この場に立たせていただいている。まだまだやらなければいけないとの思いがある。皆様どうぞよろしくお願いします」と声を張り上げていた丸山容疑者。
亡くなった妻のためにもと酒造経営と議員活動の二足の草鞋に精を出す若旦那を演じていたわけだ。
しかし、その背後で捜査の手は徐々に迫っていたと前出の地元紙記者が明かす。

丸山容疑者のフェイスブックより
丸山容疑者のフェイスブックより

「事件後一貫して“当日は長野市内の議員宿舎に泊まっていた”と主張していた丸山容疑者ですが、決起集会が行われる1週間前の10月15日には県警に任意同行を求められています。また、県警が逮捕に踏み切る決め手となったのは防犯カメラの映像です。防犯カメラの映像ではナンバープレートを折り曲げた丸山容疑者の車と思しき車両が長野市と塩尻市の間を往復しているのが確認されています」

中学3年生と小学2年生の2人の男の子にも恵まれ、周囲の目には幸せな家庭として映っていた容疑者一家。しかし、その裏で丸山容疑者には常に女性の影がチラついていた。

「事件当時、丸山容疑者は奥さんとは別の女性と交際していました。また、地域のお祭りには『さらに別の東京の女性を伴って帰ってきていた』と証言する市議もいます。複数の女性と遊んでいたという話もあり、こうした女性関係のトラブルが動機につながったと思われます」(同)

亡くなった希美さんも親しい知人に事件前、「旦那の交友関係に悩んでいて」と漏らしていたという。蔵主がいなくなった自宅で暮らしていた2人の孫は今、祖母に引き取られ暮らしている。

取材・撮影・文/集英社オンライン編集部ニュース班