今年のトレンドは“ベタから1個外れたやつ”

“競技漫才の申し子” 令和ロマン。魔人無骨時代の“あのワイルドカード”以来となるM-1準決勝へ!「全28組中、“27組と1人”は分析なんかしていないと思いますけど」(くるま)‗03

――くるまさんは昨年、一昨年と吉本興業のWEBマガジン「月刊芸人」の「準決勝&決勝進出者会見レポ」企画で“記者”として生観戦されていますよね。M-1分析は芸歴1年目から続けていると思いますが、具体的にはどんなことをしているんですか?

くるま 大会が始まる前から、「最近はこういうネタが流行ってる」というのはなんとなくあるんです。前年のM-1が終わったときに新しい流れが始まるというか。例えば、錦鯉さんが優勝したら、シンプルなネタが流行り出すとか。今は全国にある吉本の劇場のライブを配信で見れるので、そこで傾向を把握しています。その流行りから推測される自分たちに合ったネタを準々決勝から準決勝に向けてチューンナップする感じです。

――今年の流行りはどうですか?

くるま 今年は簡単に言うと、ベタから1個外れてますね。僕はネタのトレンドをシンプルなやつ、1個深いやつ、その深いやつすらもすかすやつ、という3段階に分けて考えています。この3つで流行りが巡るんですが、今年はその2つ目のイメージです。

――めちゃくちゃ分析してますね! 今年準優勝した『ABC お笑いグランプリ』(朝日放送)でも何か分析をしたんですか?

くるま 東京の芸人は飛び道具みたいなネタを求められているなと感じましたね。正統派は大阪の芸人から取るので。過去2年くらいは最終予選でオーソドックスなネタをやってウケたんですが、それだと通らなくて。だから、今年は今までやってきたなかでいちばん変なネタにして、衣装も変なものにしたら、決勝に行けました。

――初のストレート進出となったM-1準決勝はいかがですか?

くるま 毎年、準決勝に限っては「ウケたもん勝ち」と言われているんですけど、今年はその傾向がさらに強まると思っています。「M-1だとこういうことを言っちゃダメかな」という空気が例年だとあるんですが、今年はなんでもありの勝負になるのではないかと。

――今年の準決勝メンバーの特徴は?

くるま ミルクボーイさんやトムブラウンさんみたいな新しいシステムを発明して上がって来た人が今年はいないんですよ。だから準決勝では、ウケの大きさによるバトルになると思います。