怪奇!YesどんぐりRPG
インタビュー後編「ピンとトリオの両立」

「トリオがあるから、ピンでやりたいことを追求できる」

――「怪奇!YesどんぐりRPG」結成のもともとの目的はM-1グランプリ出場だったとインタビュー前編で伺いましたが、それ以外の時期も精力的にトリオとしてYouTube更新やライブ出演を行っていますよね。トリオを続けるメリットというのは?

サツマカワRPG(以下、サツマカワ) M-1以外にもエントリー資格が1人では満たせない場が多いですからね。

どんぐりたけし(以下、どんぐり) キングオブコントとかもそうですね。

Yes!アキト(以下、アキト) ビーチバレーとか。テニスのダブルスとか。

どんぐり 3人だから、テニスだと1人ベンチ入りですね。

サツマカワ 生きていくということも1人ではできない。

アキト でも1人で生きていけるという人もそれはそれで正解ですよ。

サツマカワ いや、考えてほしいんですけど、結局1人では生きていけないんですよ。

どんぐり 電気やガスだって誰かが作ってくれてるわけですからね。

アキト 俺は1人で生きていけるという人の考えも否定したくない。

「結局1人では生きていけないんですよ」怪奇!YesどんぐりRPGがピンとトリオを両立するワケ_1
Yes!アキト(サンミュージックプロダクション所属)

――トリオのメリットの話です。

アキト トリオとピンは両輪というか、ピン芸人だからこそやってるトリオユニットっていうのが怪奇!の特長だと思いますね。

サツマカワ ピンでいき詰まったらトリオのほうを考える、っていう関わりができるのがいい。スランプは必ずあるので、リスクを分散させたほうがいいと思うんです。SNSとかもそうですけど、やれることは全部やったほうがいいと思ってる。それはなるべく遠くまでネタを届ける努力でもありますね。

どんぐり 僕はやってみる前にやめちゃうこともあるので、そこは影響を受けてますね。

「結局1人では生きていけないんですよ」怪奇!YesどんぐりRPGがピンとトリオを両立するワケ_2
どんぐりたけし(ケイダッシュステージ所属)

――トリオでの活動の幅は広がっていますが、事務所は違うままなんですね。

サツマカワ 最初はアキトがフリー(未所属)でした。

アキト その後、僕はピンとしての働きやすさを考えてサンミュージック所属になりました。事務所が違うままだからやっぱりユニット。異例ではありますね。

サツマカワ トリオとして同じ事務所に所属すると、トリオの仕事ばかりになってしまいそうな気がしていて。今はYouTubeとかも事務所はノータッチですし、事務所が違うから自由にやれるというところもあります。

「結局1人では生きていけないんですよ」怪奇!YesどんぐりRPGがピンとトリオを両立するワケ_3
サツマカワRPG(ケイダッシュステージ所属)

――ユニット活動が緩衝地帯になっているのかもしれませんね。

アキト そうやってトリオでいろいろやるじゃないですか。そうすると逆に、ピンでやりたいことがはっきりしてくるんですよね。自分は一つに絞って深くやっていきたいタイプだけど、怪奇!であれもこれも手を伸ばしてやっているから、ピンでは周りの状況を顧みずに突き詰められるんです。例えばギャグができるテレビ番組が減るトレンドになっても、それに合わせた活動はトリオでしているだろうから、ピンではやっぱり「新ネタ50本ライブ」をやり続けられると思うんですよ。

サツマカワ 怪奇!の前にピンのYouTubeでいろいろ試してた時期もあったよね。

アキト 一年間、毎日更新したりね。いろいろやっていくうちにやりたいことはギャグを作ることなんだって浮き彫りになった。