ベトナム人が好む味のバランス
黄色いスポンジ生地にとろりと白っぽいソースが輝く様子は、とてもわかりやすいあま〜いケーキを想像させるが、この上にトッピングされているのが豚肉と塩漬け卵というのが謎なのだ。
外側に配置されたふわふわしたものが乾燥させた豚肉のフレーク「chà bông(チャ ボン)」。これはご飯のお供として醤油をかけて食べることも多いという。
中央に砕いた卵の黄身がのっている様子もかなり奇抜に感じるが、この塩漬け卵は中国菓子でベトナムでも伝統的に食べられている月餅(げっぺい)によく使われると聞くと納得いくような気もする。
「甘いだけだと飽きるので、塩気も交えたこういうケーキが人気なんです。すっぱいマンゴーに塩をつけて食べたりもするし、ベトナム人の好みなんだと思います。私も甘いだけのケーキよりこういう味が好きですね」
そう話すのは、ケーキを作ってくれたカフェスタッフのユンさん。
「私のこだわりは卵の塩加減と豚肉のフレークの食感。それとなんといってもソースです。ちょっとした分量のバランスで味が変わってしまうので」