ついたあだ名は“シリアルデイター”
ジョージの半生を振り返る上で欠かせないのが、ゴシップ紙をにぎわせてきた恋愛遍歴。1回目の結婚経験から(1989〜1993女優のタリア・バルサムと)自分は結婚には向いてないと見定め、女優、モデル、ウエイトレス、女子プロレスラーなど、バライエティに富んだ美人たちと2年以内のお付き合いを繰り返してきた独身主義者。
シリアル・デイター(連続的にデートだけを繰り返す人)と呼ばれていたし、「ジョージ・クルーニーはソックスを履き替えるようにガールフレンドを替える」とも言われてきました。永遠のバチェラーとして知られていた彼が、世界を股にかけて活躍する人権弁護士アマル・アラムディンと電撃結婚したのは、2014年。
美しく知的な女性で、「結婚8年目の今もケンカは1回もしていない」と、タブロイドをがっかりさせる良好な関係を続けています。
彼女のことを話すジョージから、アマルに対する深い愛と敬意を感じずにはいられません。ひとめぼれだったそうで、「この人と残りの一生を共にしたいと確信するのに、時間はかからなかった」と告白しています。
「彼女には頭脳では絶対に勝てないから、腕相撲で勝負を決めている」と冗談を言っていたことも。
「ハリウッド風の名声や騒がれ方に、彼女は一切動じない。自由やプライバシーを束縛される環境にもあまり左右されている様子は見せないし、いつも冷静なんだ。彼女は、自分のひとことが弁護をする人の命に関わる可能性がある法廷で仕事をしてるから、どんな状況でも感情的になったり、裏付けのない言葉を発したりしないんだ」
結婚から2年後には、男女の双子まで誕生して一気に2人の子供のお父さんに。今では、幸せいっぱいのファミリーマンと化しました。
『サバービコン』(2017)のインタビューのときには、部屋に入って来るなり顔見知りの私たち記者に「見て見て! 僕の双子たち」と、携帯に入っているホームビデオを見せてくれたほど。
ジョージ・クルーニーには、相手を緊張させない温かさがあり、何を言っても笑って受け入れてくれるような、安心感があります。
隅から隅まで余裕のある大人。若い頃の濃すぎる印象が白髪とともに中和され、61歳の今は、30年前より魅力的です。大人の男のセクシーさと人間的な大きさのバランスをうまく保っています。
「人生の最大の恐怖は、変わらないこと。変わらないでいることに平気な自分になること。常に疑問を持ち、人生に対処すべきだと思う。これでいいなんて思ったら終わりだよ。尊敬する父に『自分が正しいと思うことを遂行しろ。他の人が間違っていることをしていたら、それは違うんじゃないかと追求しろ。おかしいと思いながら何もしない人間になってはならない』と教えられたんだ」
俳優、監督、プロデューサー、アクティヴィストとして進化し続け、父の言葉を61歳になっても忘れないジョージ。自分を磨く努力を忘れない姿勢に、心から拍手を送りたいです。
文/中島由紀子
『チケット・トゥ・パラダイス』(2022)Ticket to Paradise 上映時間:1時間44分/アメリカ
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.
デヴィッド(ジョージ・クルーニー)とジョージア(ジュリア・ロバーツ)は20年前に離婚した、元夫婦。必要に迫られて会っても、いがみ合いばかりしている。愛娘リリーがロースクールを無事卒業し、旅行でバリ島へ飛んだ数日後、「現地の彼と結婚する」という連絡を受けた2人は急遽、南国の島へ。自分たちが犯した過ちを繰り返してほしくないとの思いから、2人の結婚阻止ミッションが始動する。果たして彼らは娘の結婚を止められるのか!?
11 月 3 日(木・祝)より全国公開
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.
配給:東宝東和
公式サイト
https://ticket2paradise.jp