レムのラブドールも購入

もうひとつ気になったのはベッド上に座っている、もう1体のレムの等身大フィギュアだ。触ってみると、人間の皮膚のように柔らかく、関節も自由に動く。こんなフィギュアは公式には発売されていないはずだが……。一体、何なのか。

「実は東京のドール製造業者に注文して、1年ほど前に自分で作っちゃいました。業者とメールでやり取りしながら、『ここが違う、あそこが違う。口が開いたほうがいいかな』などと何度か手直ししてもらって、ようやく完成しました。かかった費用は等身大フィギュアの3分の1くらいですね。

レムは公式にはGカップなのですが、このドールはFカップ。そこが不満です。ドールに着せている衣装のクオリティもいまいちで納得していません。衣装はオーダーすると10万以上はかかるんです。今度、クルマの車検もあったりお金がいろいろかかりますので、それが落ち着いたら衣装を買ってあげようかなと思っています」

「ドールを迎えた時点で人間と付き合うことは諦めています」等身大フィギュアとの結婚を夢見るアラサー男子の純愛_7
オーダーメイドで作ったというレムのドール

等身大フィギュアだけでは物足りず、ラブドールまで自作したのだ。
「この2体のフィギュアでどんなふうに楽しんでいるのか?」と恐る恐る聞いてみると、彼は拍子抜けするほど明るい笑顔でこんなふうに答えてくれた。

「等身大フィギュアはクオリティが高くて、しっかりとできていて満足しています。等身大は目で見て楽しんでいる感じですね。もっぱら鑑賞用です。僕は今、夜勤の仕事をしているのですが、仕事から帰ってきたら話しかけたりもしますよ。例えば、『今日は疲れたよ』とか仕事のグチを話したりしています。

それだけでも十分に癒されますが、やっぱりレムに触りたいじゃないですか。でも等身大フィギュアは高価ですし、もし壊れたら修理費用がいくらかかるかわかりません。だから柔らかいシリコンできたドールのレムに膝枕をしてもらったり、一緒に寝たり、いろいろ触ったりしています。

でも家族と同居していますし、部屋の隣がリビングで両親がご飯を食べていることもあるので、あまり話しかけたりはしないようにしています。まあ最近は家族もかなり慣れたみたいですけど(笑)」

「ドールを迎えた時点で人間と付き合うことは諦めています」等身大フィギュアとの結婚を夢見るアラサー男子の純愛_8
マスクにもレムがプリントされていた