「知らなかった」が理由で悩みを解決できないのはもったいない

まだ、日本国内では先駆的な試みである「性器形成」ですが、将来的な市場展開としては「かなりの手応えを感じている」と、井上先生は予測します。

包茎手術だけでない。亀頭増大に名器形成…専門医が語る下半身リメイクがもたらす大きな効用_6

「需要は今後もっと増えてくると確信しています。男女ともに、性器にまつわる嫌な思い出っていうのは、深刻なトラウマとして残ってしまう。彼女から『小さい』となじられたり、彼氏から『締まりが悪い』と愚痴られたりした体験は、もはや呪詛のレベルです。

僕は、シモで悩む人をこの世から無くしたい。そのほかのことで悩むのはともかくとして『シモだけはいったん解決しておこうよ』と。

やはり、医者として『人の悩みを解決したい』という本能があって……。がん治療が『人の体の悩みを解決したい』なら、性器形成は『人の精神的な悩みを解決したい』ということになり、根本的には一緒なんです」

包茎で悩んでいる男性には(実際に「する・しない」は置いておいて)、とりあえず「手術」という選択肢があります。対して、女性は「性器を変える」という選択肢があることを知らないから、発想することすらできない……と、井上先生。
知ってから「やっぱやめよう」は別にかまわない。でも、知らないまま「悩みを解決する方法がない」と思い込んだまま終わってしまうのは、たしかにもったいないのかもしれません。

「男性は『包茎手術』のことを誰でも知っていますが、女性は『膣内にヒアルロン酸を注入する』なんてことはほとんど知りません。
だからこそ、まずは知ってもらいたい。今の若い女性は友だち同士で『二重(手術)やった』とか『どこどこのクリニックの先生がいい』とかって、美容整形の話を堂々としますよね。SNSで公開もしたりして……。けれど、これって一昔前だとあり得なかったじゃないですか。美容整形は隠すべきことだったので。

性器形成の認知度と常態化もそこまで引き上げられたらいいなという野心はあります。リアルな話として、海外ではすでにこうしたトレンドは当たり前になりはじめているのです」

自分の仮性包茎を自ら手術。エリート医師が下半身を実験台にしてまで進んだ性器形成医療の道 はこちら

取材・文・写真/山田ゴメス

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