原画展きっかけでスタートしたエピソード編、新世代の『ベルばら』に感動!
「マーガレット」が50周年を迎える2013年のこと。記念色紙を求められた池田理代子氏は、「ベルばらの新作を描かせてもらえないか?」と編集部に提案する。40年ぶりに「マーガレット」に『ベルばら』が掲載された50周年記念号(2013年10号)は、まさかの完売。そして再録掲載!! 以降、エピソード編と銘打たれたシリーズはマーガレットコミックスで4巻分、9つの新作エピソードがつづられた。マーガレットコミックス11巻の池田理代子氏インタビューによると…
池田 連載当時、「オスカルが死んでから10週で終わりにするように」と編集部から言われていたんですが、マリー・テレーズとフェルゼンが出会うエピソードとか、まだ描きたいことがたくさんあった。それが今回のお話に反映されている部分はありますね。
とコメントしているとおり、本編の間をつなぐようなエピソード群は単なる外伝ではなく、“真のエンディング”と言えるシリーズとなっている。今回の『愛と感謝の50周年 ベルサイユのばら アニバーサリーブック』でも、エピソード編の詳細な解説が組まれている。
「2012年に、朝日新聞社主催で開催された「40周年記念 ベルサイユのばら展」では、記録的な数のお客さんが詰めかけ、会場のデパートのグッズ売り場に長蛇の列ができ、記念グッズはあっという間に売り切れが続出しました。
私見ですが、ベルばらグッズやふろく制作の機運は、そのあたりから高まったと考えています。また、翌2014年からスタートする「わたしのマーガレット展 〜マーガレット・別冊マーガレット 少女まんがの半世紀〜」では、オスカルとアンドレの立像も制作され、『ベルサイユのばら』は再び注目を集めました。
同時期にはエピソード編のコミックスも発売され、雑誌「SPUR」ではハイブランドとのコラボも表紙を彩り、携帯ゲームやスタンプも発売され――オスカルはまたしても軽やかに時代を超えていったように思えます。池田先生ご自身が「昔の絵より新しい絵が好き」とおっしゃっているように、その時ご自身が「描きたい」と思われているものを描いていらっしゃるからこそ、古くならないのではないでしょうか」