周年の節目で生まれ変わり、その度に新しい売れ方をする
2002年に開催された、日本経済新聞主催の「ヴェルサイユ展」に合わせ、『ベルサイユのばら』30周年のファンブックができないかと、コミックメディア編集部に打診があった。その時、「やります!」と手をあげたのが、有馬さんだった。
「もともと図鑑や『VOW』などの企画本が好きだったのと、海外ロケに行ってもいいという声も聞こえてきていたので(笑)、立候補して『ベルサイユのばら大事典』を企画しました。この時結成された「チームベルばら」メンバーで50周年のアニバーサリーブックも制作しています。プロジェクトが始まると同時に、池田理代子先生の長年の担当だった元上司が、『ベルばら』個人研究者のTさんを紹介してくださり…。今回も多大なご協力をいただきました。
初の取材ではライターさんとベルサイユまで取材に行ったのに、デジタルカメラが壊れてしまい、冷や汗。パリ市内のカメラ店に駆け込んだら、日本人の店長さんが出てきて(!)カメラを貸してくださったんです。「チームベルばら」は、スタート時から多くの親切な人に支えられております。
そうそう、2002年にはベルサイユ宮殿に、ベルばらグッズは何もなかったのですが、今はフランス語版のコミックスがおみやげ店に置いてあります。その位、海外での知名度も一気に上昇したんですよ」
この記念事典が大変好評を博し、2006年には『オルフェウスの窓大事典』を作成。以降、名言カレンダーや手帳、カルタなど、いろいろなジャンルのベルばらコンテンツが制作されるようになる。
「『ベルサイユのばら大事典』で、事情があって2Pの空きができてしまったんです。そこで、チームのライターさんたちとひねり出したのが「ベルばらカルタ」でした。この企画に池田理代子プロダクションさんが許可をくださり、最終的には宝塚のOGである紫苑ゆうさんに読み札を読んでいただいたCD付きで商品化までしました。新しい提案にもいつも柔軟に耳を傾けてくださる池田理代子先生と、事務所の方には感謝しかありません。
微妙に笑いの要素をまぶしても揺らがない原作の力と、応援してくださるファンの方々のおかげで、思いきった企画を実現することができました」