「自分らしく輝く」に込められた思い

──先ほど「自分らしさ」について悩んだとのお話がありましたが、それはなぜだったのでしょうか?

実は当時、ダイエットや美容の情報を発信するInstagramをやっていて、フォロワーが12万人くらいいたんです。顔出しをせず、イラストで構成したアカウントだったのですが、私と同じような美容・ダイエットアカウントの人たちって、すごく細い人が多かったんですね。

そういう方々を見ていくうちに、標準体型だった自分に対してコンプレックスを感じるようになっていきました。それで食事制限をしながらダイエットをしていたら、摂食障害の一歩手前になってしまって……。ご飯が食べられなくなったり、鏡を見て「本当に自分は醜い」「なんで自分はブスなんだろう」と思ってしまうようになったんです。

──ブルーモーメントの本に「らしく輝く」人の背中を押す本が多いのも、そのような理由からなのでしょうか。

そうですね。「美しさとはこうだ!」という発信をしてしまっていた自分自身の償いというのはあります。ブルーモーメントの本を通して自分の「らしさ」を愛する人が増えてくれたらいいなと思っているんです。

実際にマリリン・モンローの生き方を紹介する本『あなたの繊細さが愛おしい』は、体型コンプレックスがあった人や、繊細で生きづらさを感じている自分に対してダメだと思い込んでいた人から「救われました」との声を多くいただきました。

そういった声をもらえると、自分らしい形で自分の伝えたい“美しさ”を伝えることに貢献できているのかなと感じることができ、すごく嬉しいんです。

「自分らしく輝く」に込めた願い。出版社ブルーモーメントが“生き方”を伝える理由_3

──「自分らしく」という言葉を耳にすることは多い一方、抽象的な印象もあります。今現在、竹井さんが考える「自分らしく」とは何かを教えてください。

「これ!」と言い切るのは難しいのですが、人と自分の違いにどれだけ愛着を持てるかということが、その人の「らしさ」かなと私的には思っています。

「人との違いを全部愛する」「自分の全てを受け入れる」というのは、正直無理だと思います。でも、その違いの中に自分が愛せる部分を探して、その部分を磨くことによって、自分の「らしさ」が魅力として出てくるのかなと。「今のままでいいよ」というのと、自分の「らしさ」を大切にすることは似ているようで全然違うんです。

──今後、どのような会社にしていきたいと考えていますか?

出版社という軸は持ちつつも、いろんな角度から自分の内面を愛せるきっかけづくりをしたいなと思っています。そのためには、いろいろな形でブルーモーメントの世界観を作っていきたいです。

1つ最終ゴールとして掲げているのは、本やコスメ、アメニティまで、すべてブルーモーメントの世界観で構成されているブックホテルを作ること。訪れた人が自分のことを大切に思えるような空間を作りたいです。

──なるほど。これからがすごく楽しみですね。

8月18日より「秘めごとネイル」の2nd Collectionの予約受付を開始しましたし、冬には香水を出す予定です。香水もネイル同様「自分と対話すること」「自分を愛すること」というのをコンセプトにしようと開発を進めています。ブルーモーメントの商品を通して、お客様と対話しつつ、自分のことを少しでも好きになれる人をできるだけ増やしていけたら嬉しいです。

取材・文/瑞姫

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