育児の負担が偏っていてキャリアに影響が出そう
<子供の体調不良が多く、夫と私のどちらが仕事を休むかでよくモメます。私が折れることが多いのですが、私だって仕事を頑張りたいのにと、モヤモヤしてしまいます。職場に申し訳ないし、自分の今後のキャリアも不安です。どうしたらよいですか?>
仕事を早退して子供を迎えに行かなければならなかったり、急な休みを取る必要があったりしたときに、「どちらが休むか?」は難しい問題です。共働きである以上、それぞれの仕事やキャリアも大切です。どちらかに負担が偏ってしまうのは、なるべく避けたいですよね。
共働き夫婦のサヤさん・ユウイチさんの例を紹介します。サヤさんは子供の熱が出た場合にお迎えに行く頻度が自分だけ高いことにストレスを感じていました。自分だって外せない会議があるのに、自分だけ職場を抜けたりしなければいけない状況に罪悪感も持っていました。
そこで、夫のユウイチさんとも相談し、お互いの仕事のスケジュールをウェブ上のカレンダーで共有することにしました。調整可能な社内ミーティングなのか、調整が難しい社外打ち合わせなのかなど、「重要度」や「調整しやすさ」も含めて、夫婦で共有するようにしたそうです。
すると「今日の会議は議事録で追えるから、私がお迎え行くよ! あなたは商談を優先してもらって大丈夫だよ」と、快く引き受けられるようになったそうです。反対に自分が外せない会議が入っている際は、パートナーから「今日は僕が行くね!」と申し出てもらえるようになりました。
職場の人間関係や仕事内容、抱えているプロジェクトの進捗状況なども共有しておけると、自分の忙しさや仕事への真剣な思いは、相手もまた抱えているものだと気づけるでしょう。こうした関係性を日頃から築いておくことが、育児と仕事の両立において大切なことなのだと思います。
心理学の三大巨匠と呼ばれるアドラーは、「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言いました。なかでも「家族」が、あらゆる対人関係のなかでいちばん難しいとされています。ひとりで生きてきた人生から、ふたりで生きる人生に変わると、当然、悩みも増えることでしょう。だからこそ、対話によって関係を維持する「マネジメント」が必要です。お互いの理想を実現するには、日々の対話や情報共有、意見のすり合わせなど、地道な努力が欠かせないのです。
簡単なことではないかもしれませんが、「パートナーは最強の味方」ということを忘れないでください。ひとりで悩むよりも、ふたりで考えたほうが、きっと、理想の実現がぐっと近づくはずです。