リテラシー向上の必要性

「漫画村」閉鎖後も、悪質な海賊版サイトは際限なく登場している。そうした状況の中、コンテンツを享受するユーザ側のリテラシーも十分に問われるのではないだろうか。コンピュータソフトウェア著作権協会・専務理事の久保田裕氏は、ユーザに対する著作権問題の啓発について、次のように話す。

「もっとも大事なことは『教育』です。無体なデジタル情報は、法と電子技術と教育の3つがバランスよく進まないと、管理や拡散を防ぐことが難しい。これまでも協会は徹底して著作権教育を進めてきましたが、より一層『情報の価値と意味』をしっかり伝えていかなければなりません」

現在、紙・電子を合わせた正規の漫画市場規模は6759億円(出版科学研究所調べ/2021年度)。それに対し、試算可能な海賊版サイトでタダ読みされた金額は2020年が年間約2100億円、2021年は年間1兆19億円と、正規市場を大幅に上回る。今回の共同提訴は、海賊版サイトに対してどのような影響を与えるのだろうか。一般社団法人ABJ・広報部会長兼法務部会長の伊東敦氏は、次のように語った。

「跋扈する海賊版サイトへの対策として、今回の提訴は非常に大きな前進です。本件が海賊版サイトを運営している人間に対して、強い抑止力となるはずです」

出版3社が「漫画村」運営者に総額19億円を請求! 刑事罰だけで事件を終わらせない。_3
一般社団法人ABJ・広報部会長兼法務部会長の伊東敦氏
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取材・文/集英社オンライン編集部